中国のハオライナーと日本のコミックス・ウェーブ・フィルムが合作した劇場アニメ『詩季織々』が、2018年8月4日に中国公開される。日本公開日は同じ8月4日が発表されており、配給は東京テアトルが担当する。
さらに『詩季織々』は、8月4日よりNetflixを通して世界配信もスタートする。(日本のみ8月25日から) 日本、中国、それ以外の世界がまさに同日に展開開始という、これまでの映画にはない快挙だ。
中国でのタイトルは『肆式青春』、配給は全国芸術専線が決まった。全国芸術専線は中国国内1800スクリーン以上を持つ映画会社で、アーツ性の強い映画を得意としている。映画祭での受賞作品やクラシック映画などを配給してきた。
公開規模では、約7000スクリーンの『君の名は。』や「映画 ドラえもん」シリーズのなどには及ばない。しかしむしろ美しい映像と文学的なストーリーで、感度の高い若者の取り込みを狙っているようだ。
映画は、絵夢動画の創業者である李豪凌氏の情熱により実現した。李豪凌氏はハオライナーブランドのアニメーションで、自身がアニメーション監督も務める才人だ。新海誠監督の『秒速5センチメーツル』に感激した豪凌氏は、数年がかりの情熱を持った交渉でコミックス・ウェーブ・フィルムにアニメーション制作をするように説得した。映画製作には、絵夢のほかに伊犁卓然影業有限公司、ビリビリといった中国企業が参加している。
『詩季織々』は、中国映画の位置付けのため中国での公開は問題ない。それでも新作映画の公開が日本と中国で同日というのは異例だ。さらに世界190ヵ国以上に配信するNetflixと組むことで、わずか1日で作品が世界中に広がる。これまでにないグローバルでのスタートも、日本と中国の協力による成果だろう。