中国・動画配信サイトのビリビリ 7月5日より動画投稿に実名制導入

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 中国の動画配信サイトであるビリビリ動画が、2017年7月5日より、動画のアップロードをする全員に実名登録を義務付けることが明らかになった。ビリビリ動画は、実名制は中国政府の要請に従ったものだと説明している。
 ビリビリ動画にて映像のアップロードをする者は、全て事前に実名を登録するになる。本人の証明には、携帯電話の番号を利用する。海外在住者に対しては、パスポートやなどの身分証明書を要求する。

 ビリビリ動画は、中国の有力動画配信サイトのひとつ。2009年に投稿型の動画配信サイトとしてスタート、現在は、正規ライセンスの映画や番組も配信する。サイトのユーザー数やアクセス数は、優酷網、愛奇芸といったトップサイトに劣るが、日本アニメを中心としたサブカルチャー路線で絶大な人気を誇る。
 2014年には、日本法人である株式会社ビリビリも設立。日本アニメの正規ライセンスを積極的に買い付けている。最近では、アニメの製作委員会に出資者として名前を連ねるケースも増えている。

 一方で、大手サイトに較べて、違法コンテンツの投稿が未だ残っているとの指摘も多い。もともと、動画投稿サイトからスタートしたこともあり、配信コンテンツの9割はユーザーからの投稿である。このなかには実写ドラマやバラエティなど、中国にライセンス販売をしていない日本の番組の違法は当行が多数ある。
 中国政府の実名制導入の要請は、当局が好ましくないと考える内容の動画投稿への抑止力の発揮、投稿者への牽制が大きな目的とみられる。表現の統制という面では、中国らしい制度といえる。しかし、実名制の導入が、違法なコンテンツ投稿に対しても効果を発揮することも出来る。もし、権利者が何かしらのアクションを取れば、その身元に辿りつくことが用意になるからだ。実名制の導入が、いまだビリビリに残る違法コンテンツとその投稿に、なんらかの変化をもたらすのか。7月以降の動向が注目される。

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