「原恵一の世界」 第30回東京国際映画祭のアニメ特集でフォーカス

原恵一

 2017年10月25日から11月3日まで、東京・六本木地区を中心に第30回東京国際映画祭が開催される。この映画祭のアニメーション特集として 「原恵一の世界」が実施されることが、このほど発表された。期間中は、原監督のこれまでの作品を振り返る上映特集や、関連企画も期待できそうだ。
 東京国際映画祭は、国際映画製作者連盟が公認するアジアを代表する世界規模の映画祭で、1985年にスタートした。近年は日本のアニメーション文化発信にも力を入れる。
 そのひとつが2014年より実施されているテーマを決めた特集企画だ。2104年は庵野秀明、15年は『機動戦士ガンダム』と富野由悠季、昨年は細田守を取り上げた。ひとりの作家にスポットを当てることで、その作家性に深く切り込み、好評を博している。

 原恵一は、1959年生まれ。シンエイ動画に入社後、『ドラえもん』、『エスパー魔美』、『クレヨンしんちゃん』などキッズ向けのアニメを多く手掛けた。転機となったのは、2001年の映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』、2002年の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』である。子ども向け作品の枠を超えたドラマ性が大きく評価され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、毎日映画コンクールアニメーション映画賞、アニメーション神戸個人賞など数多くのアワードに輝く。
 2000年代後半からは、活動は長編映画を軸とするようになった。2007年には『河童のクゥと夏休み』、2010年には『カラフル』、2015年には『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』を発表している。また2013年には、映画監督・木下惠介をモデルにした初の実写映画『はじまりのみち』を撮っている。

 国内での評価の高さもさることながら、原恵一監督の特長は海外で注目の高さだろう。『カラフル』はアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門の審査員特別賞と観客賞のダブル受賞、『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』は同審査員賞を受賞している。近年のストイックな表現が観るものを驚かせている。日本から世界に向けて発信するのに、まさに相応しい存在である。
 今回はキッズ、ギャグ作品から江戸の生活を描いた『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』まで、原恵一の多才な世界が紹介されそうだ。あらためて原恵一を知るのによい機会になるに違いない。

第30回東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net

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