東京国際映画祭、2021年はアニメーション部門に「大塚康生」特集など

第34回東京国際映画祭

 2021年10月30日から11月8日までの10日間、東京の日比谷・有楽町・銀座地区を会場に第34回東京国際映画祭が開かれる。開催1カ月を前にして、東京ミッドタウン日比谷にてラインナップ発表会が開催された。
 新型コロナ禍に揺れる映画界の一方で、東京国際映画祭は昨年、今年と新しい展開を目指し動き出している。会場を六本木地区から日比谷・有楽町・銀座地区から移転、プログラミング・デイレクターに市山尚三氏を迎えた。そんな新しい映画祭のかたち、どんなプログラム、ラインナップになるのか注目された発表だ。実際に会場変更で上映本数も減ることもあり、日本映画の若手を中心とした「日本映画・スプラッシュ」部門がなくなるなどプログラム再編も見られた。

 映画祭チェアマンの安藤裕康氏は、コロナ禍のなかでゲストの来日が出来るのか、座席数も不明と手探り、また協賛金を集めるのも大変であったと開催準備の苦労を話した。それでもリアルな開催を目指したのは、コロナ後を摸索するためだという。映画祭の大胆な再構築ともパラレルになっていると感じさせた。
 注目されるコンペティション作品は、15本。今年はこれまでエントリー条件にあったアジアプレミア以上の条件をジャパンプレミア(日本初公開)に緩めたが、結果的にはワールドプレミアが11本、アジアプレミアが4本とむしろワールドプレミアの比重が増した。アジア各国の作品が多く、「アジアの未来」部門も含めて、これまで以上にアジアの比重が増している。審査委員長は女優 のイザベル・ユペール氏が務める。
 また監督特集として現在『空白』を公開中、『ヒメアノ~ル』などで注目される吉田恵輔監督にフォーカスする。会見に登壇した監督は、冗談を交えながらの挨拶で喜びを語った。

 アニメ関連は「ジャパニーズ・アニメーション」部門が、引き続き設けられている。部門 プログラミング・アドバイザーの藤津亮太氏は、「実写映画を意識しながら表現を高めてきたのが日本のアニメーション」とし、実写とアニメーションの不即不離の関係を前提にプログラムを組んだと説明。
 そのうえで今年は、「2021年、主人公の背負うもの」とのテーマで新作長編アニメーションを4本、また今年3月に逝去したアニメーター大塚康生氏の回顧特集として『じゃりん子チエ』『わんぱく王子の大蛇退治』、ドキュメンタリー「記録映画『飄々~拝啓、大塚康生様~』」を上映する。さらにアニメの近接領域として「「仮面ライダー」の未来へ」も設ける。
 長編はいしずかあつこ監督『グッドバイ、ドン・ドングリーズ』はワールドプレミア、湯浅政明監督『犬王』はジャパンプレミア、さらに水島精二監督の青春映画『フラ・フラダンス』、さらに6月に公開され話題を集めた渡辺歩監督『漁港の肉子ちゃん』。個性派の作品が揃う。

 期間中はテーマに沿ったTIFFマスタークラスとタイトルしたトークも複数用意されている。また映画祭ならの上映に合せたティーチインも予定する。制作スタッフの登壇が期待できそうだ。『犬王』のティーチインでは湯浅政明監督の登壇が決まっている。
 今年は昨年より上映本数が少ないこともあり、現在の発表ではジャパニーズ・アニメーション部門以外での国内作品の上映は発表されていない。また毎年数本あった海外の長編アニメーション作品では、「ユース」部門で米国のファンタジー『クリプトーズ』が予定されている。

第34回東京国際映画祭
https://2021.tiff-jp.net/ja/

「ジャパニーズ・アニメーション」部門
【上映アニメーション作品

2021年、主人公の背負うもの
『犬王』
『漁港の肉子ちゃん』
『グッドバイ、ドン・グリーズ』
『フラ・フラダンス』

アニメーター大塚康生の足跡
『じゃりん子チエ』
「記録映画『飄々~拝啓、大塚康生様~』」
『わんぱく王子の大蛇退治』

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