新しいプログラムディレクターの就任、会場の移動など、2021年に大きく変る第34回東京国際映画祭のポスタービジュアルが発表された。こちらもイメージ刷新が図られて、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏とサプライズな起用となった。
ポスタービジュアルは黒いドレスを着た女性が颯爽として歩いていき、半ば振り返るポーズをシックなトーンでまとめている。女性が着るドレスはコシノ氏が伊藤若冲のニワトリの画をモチーフにして作ったものだ。新しさと伝統が同居する。
コシノ氏は1978年から22年間パリコレクション参加するなど日本を代表するファッションデザイナーで、国際的な文化交流にも力を入れる。そのデザインも多くのカルチャーをクロスさせる特徴がある。今年の東京国際映画祭が持つ「越境」のテーマとも合致する。
今回の起用は当人も驚いたとする。そのうえで東京国際映画祭ビジョンを「かっこいい女性が、コロナも吹っ切れて、前に向かう、風を切って向かうというイメージ」として捉えた。
長年続く東京国際映画祭は2021年より大胆な刷新が続いている。プログラミング・ディレクターに東京FILMEXで腕を振るった市山尚三氏が就任、メイン会場も今年から六本木から銀座・有楽町地区に移動する。ポスタービジュアルもそうした変わる東京国際映画祭を象徴するものになる。今年は10月30 日から11月8日までを予定している。
もうひとつ今年の大きな話題が、Amazonの協賛だろう。Amazon Prime Videoをネーミングした「Amazon Prime Video テイクワン賞」が設けられる。このアワードは、短編映画を評価して才能ある新人監督を発掘するものだ。
商業長編映画経験のない日本在住の映画作家を対象にしたもので、15 分以下の短編を審査する。動画配信サービス大手のAmazon Prime Video が才能の発掘という趣旨に賛同し、賞金 100万円の他、Amazon スタジオとの長編映画の製作を検討する機会が提供される。老舗映画祭と配信プラットフォームの連携も今日的な取り組みだ。
東京国際映画祭
https://2021.tiff-jp.net/