「アニメージュ」「PASH!」発行部数 年初より減少も、第2四半期は高水準続く


一般法人日本雑誌協会は2016年8月に、2016年第2四半期(2016年4月~6月)の印刷部数公表データを明らかにした。このうち「アニメディア」(学研プラス)、「メガミマガジン」(学研プラス)、「PASH!」(主婦と生活社)、「アニメージュ」(徳間書店)の主要4誌の期間中の月平均ごとの合計発行部数は、16万8034部となった。前期(2016年1月~3月)に比べると32.6%減となるが、前年同期(2015年4月~6月)比では15.1%増となる。
出版各社が発表する雑誌の発行部数は、公称と呼ばれる実際の発行部数より上乗せした数字が少なくない。しかし、日本雑誌協会の発行部数は協会が印刷部数を実際に精査したうえで発表し、最も信頼できる統計とされている。通常は3ヵ月ごとに集計し、3ヵ月の平均をその期間の一冊ごとの印刷部数としている。

2016年のアニメ雑誌の特徴は、第1四半期(2016年1月~3月)に際立って発行部数が伸びたことだ。アニメ『おそ松さん』がこの期間に一大ブームを巻き起こし、それを特集した各誌が多くの女性ファンを惹きつけて、売上げが大きく伸びたためだ。「PASH!」、「アニメージュ」、「アニメディア」で売り切れや、雑誌としては異例の重版が相次いだ。

女性読者が多い「PASH!」が特に好調で、この期間の発行部数は月平均で8万1000部超と、通常の3万部前後の倍以上の水準となった。同じく部数を伸ばした老舗の「アニメージュ」の約8万部も超えた。アニメ雑誌における『おそ松さん』ブームは一段落しているが、第2四半期もその勢いに乗り「PASH!」は4万1600部と高水準を続けている。「アニメージュ」も5万5867部と、前年同期を16%上回る。
また「アニメディア」は両誌に比べると『おそ松さん』効果は小さく、第1四半期は6万2333部、第2四半期は4万5600部と反動も小さかった。男性読者が中心の「メガミマガジン」は、過去一年間大きな変化はなかった。ここからも2016年のアニメ雑誌の発行部数増が、『おそ松さん』ブームに牽引されたことがわかる。

2016年年初めは『おそ松さん』ブームに沸いたアニメ雑誌だが、今後の課題は大きい。8年前、2008年第2四半期の4誌の合計印刷部数は27万1176部と2016年の1.6倍あった。また現在は印刷証明付きの発行部数を公表しない「ニュータイプ」は当時15万7000部を発行している。 (「ニュータイプ」は2014年第4四半期の5万8834部を最後に公表を停止)。
雑誌業界全体の趨勢である売上げの長期低落傾向が、アニメ雑誌にも起こっていることが分かる。ヒット作だけに頼らない施策が必要とされているのは間違いないだろう。

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