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タカラトミー決算 欧米低調も日本復調で業績拡大 「ベイブレード」「デュエル・マスターズ」人気
- 2017/5/22
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近年、海外ビジネスの苦戦で伸び悩んできたタカラトミーの業績が回復してきた。5月10日に発表された同社の2017年3月期の通期連結決算は、売上高が前年比微増だったものの利益が拡大した。
売上高は1676億6100万円(2.8%増)、営業利益は77億4400万円(187%増)、経常利益は78億230万円(435.9%増)となった。前年は海外事業で特別損失を計上したことから67億300万円であった当期純損失は、53億7200万円の当期純利益に転換した。
業績の伸びは、日本事業の好調によるところが大きい。国内売上高は1318億1000万円と21.5%増だった。営業利益も100億3000万円(20.9%増)と順調だ。グループ会社のタカラトミーアーツは、過去最高の売上高を実現している。
「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」といった定番商品が堅調だったことに加えて、2016年4月からテレビアニメの放送がスタートした『ベイブレードバースト』が人気になった。『デュエル・マスターズ』も好調だった。
『ベイブレードバースト』、『デュエル・マスターズ』はアジアでも人気で韓国、香港、台湾ではテレビアニメの放送もあり、売上を伸ばしている。
ただしアジアの売上高は477億7100万円(16.6%減)、営業利益は7億2500万円(17.4%減)。香港の生産子会社であるTOMY(Hong Kong)Ltd.の欧米向け出荷が減少したことが響いた。
アメリカ、ヨーロッパは引き続き低調だ。営業利益はアメリカで前年の15億8600万円の赤字から1億9700万円の黒字転換、ヨーロッパで24億1800万円の赤字を5億8100万円の赤字まで縮小した。しかし、売上高はアメリカが285億1200万円(17.6%減)、ヨーロッパで85億7300万円(19.4%減)と下げ幅が大きかった。不採算事業の整理により、収益の健全化を図ったかたちだ。
両地域ともベビー用品関連が引き続き低調だった。一方でスマホアプリゲーム「ポケモンGO」の人気からポケモン関連商品は好調だった。オセアニア地域もポケモン関連商品が好調で、売上高は前年並みの25億900万円であったが、営業利益は黒字転換し5700万円となった。
2018年3月期についてタカラトミーは、ほぼ前期並みの慎重な見通しを立てる。売上高1700億円、(1.4%増)、営業利益80億円(3.3%増)、経常利益80億円(2.3%増)、当期純利益55億円(2.4%増)である。
しかし、2018年3月期は定番商品、『ベイブレードバースト』だけでなく、大型タイトルが多く投入される。レベルファイブとの共同プロジェクト『スナックワールド』の本格展開を夏にスタートする。「トミカ」初のテレビアニメ化作品『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』、女児向けの特撮テレビシリーズ『アドル×戦士ミラクルちゅーんず!』と意欲的な試みも多い。
同社の世界的な人気商品「トランスフォーマー」は2017年から3年連続で映画公開をしている。エピソード8が年末に世界公開される『スターウォーズ』にも期待がかかりそうだ。