ブシロードは、トレーディングカードゲーム(TCG)のゲームシステムデザインの有力企業である有限会社遊宝洞の株式 16.7%を取得、資本業務提携した。これを通じてTCGの開発体制を強化し、この世界的な成長ジャンル中での競争力を確保する。
遊宝洞は2001年設立で、TCG やデジタルゲームのゲームシステムデザインが優れていると定評がある。企業規模は必ずしも大きくないが、世界的に見ても多くの人が面白いと感じるTCGのゲームシステムを構築出来る企業の数は極めて限られている。その一つである遊宝洞に一部出資することで、ブシロードは協力関係を強化する。ブシロードは、今回の株式の取得価格や取得先は開示していない。
ブシロードは2007年に、現在の代表取締役社長である木谷高明氏が設立した。スタート時の主力事業はTCGだった。現在はTCGだけにとどまらず、アニメ、ゲーム、音楽、イベント、商品開発・販売、スポーツなど様々な事業展開する。
それでもTCGはブシロードにとって、最も重要な事業だ。とりわけ近年は、TCG はグローバル市場で成長が著しい。国内海外とも市場規模は年々拡大している。ブシロードが重視する理由でもある。
このような状況の中、TCG の安定的な開発・製造・供給が重要性を増していることが、今回の2社の資本業務提携の背景にある。
しかしTCG 事業の成長のためには、クリアしなければならない課題も多い。開発体制の確保もそのひとつだ。遊宝洞と協力して優秀な人材の確保と育成をすることで、ブシロードはTCGの開発体制を強固なものにし、これを乗り越える構えだ。
遊宝洞はブシロードと20年以上にわたるビジネス取引があり、『ヴァイシュバァルツ』や『カードファイト!! ヴァンガード』の主力タイトルも開発した。遊宝洞は、一生遊べるような長年続くゲームを目指すにはそれを支えるにふさわしい組織が不可欠とする。今回の業務提携はそれを目指すためのもので、遊宝洞にとってもメリットは大きい。