フィリップ証券とスタジオアウトリガーがアニメコンテンツ・ファンド 個人投資家を視野

アニメコンテンツ・ファンド

 フィリップ証券がIPビジネスプロダクションのスタジオアウトリガーと協力してアニメコンテンツ・ファンドの組成に取り組む。両社は共同事業パートナーとなり、日本のクリエイターがアニメーションを作りやすくなる環境を構築するという。
 ファンドはセキュリティ・トークン・オファリング(STO)を活用する。個人投資家がセキュリティートークン・オファリングと呼ばれるデジタル証券を購入することで、製作のための資金を提供する仕組みだ。アニメーション制作と投資家が直接つながる、これまでの製作では資金不足でチャンスを得られなかったクリエイターの作品制作を実現する。デジタル技術の活用、資金調達の多様化を目指す。

 フィリップ証券はすでに2024年7月に実写映画『宝島』で、同じ取り組みをスタートしている。『宝島』は2025年9月19日に公開予定の大友啓史が監督する日米共同製作大作映画。この資金の一部をファンド化して小口販売した。
 個人投資家がセキュリティートークン・オファリングと呼ばれるデジタル証券を購入することで製作に関わることになる。『宝島』のファンドでは一口10万円から購入可能で、投資家特典のほか映画がヒットした際には興行収益の一部が運用利回りとなるよう設計されている。
この経験を活かしてアニメ分野でもセキュリティートークン・オファリングを活用したファンドの組成に取り組む。

 スタジオアウトリガーは2021年に設立した企画プロデュースとクリエイターマネジメントを軸にした企業。ビジネスプロデュースからアニメーション制作までを掲げる。
 『茄子 アンダルシアの夏』や『若おかみは小学生!』の監督で知られる演出・アニメーターの高坂希太郎氏や『カメの甲羅はあばら骨』監督のモリ・マサ氏が所属する。またマンガ家・イラストデザイナーの岡崎能士氏らとも提携する。
 今回はフィリップ証券の共同事業パートナーとなることで、所属するクリエイターや提携クリエイターのアニメ企画に取り組むとする。ファンドで実現する企画の内容にも注目が集まりそうだ。

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