定番アニメ、「シン・ゴジラ」、「君の名は。」好調 東宝が通期業績予想を上方修正

ファイナンス決算

■ 「君の名は。」は第3四半期以降の業績に反映

『シン・ゴジラ』や『君の名は。』など自社製作・配給映画が大ヒットとなっている東宝の業績が好調だ。10月17日に2017年2月期第2四半期の決算発表、これと同時に通期連結業績予想の数字を引き上げた。
例年、シリーズを上映する定番アニメが好調だったのに加えて、『シン・ゴジラ』が大ヒット、さらに『君の名は。』が10月16日の段階で興業収入154億円の大ヒットになっている。『君の名は。』の業績への影響が第3四半期以降に大きいこともあり、通期業績予想を上方修正した。
一方、第2四半期の決算は好調だった前年同期とほぼ同じ水準であった。連結売上高は1149億8300万円(7.2%減)、営業利益は244億300万円(0.3%増)、経常利益は250億4800万円(2.2%増)、当期純利益は165億8500万円(4.9%増)となった。

■ 「シン・ゴジラ」、アニメが好調だった東宝 洋画不調で東宝東和はふるわず

映画事業全体では、営業収入が762億4700万円で10.9%減、営業利益は156億9400万円の8.6%減の減収減益である。国内配給の東宝は19作品、東宝東和では洋画9作品を配給した。しかし、東宝東和配給では興行収入41億円の『ペット』があったが、昨夏の『ジュラシック・ワールド』(95億円)や『ミニオンズ』(52億円)のヒットには及ばず減収減益となった。
映画興業はほぼ横ばい、営業収入399億3800万円(2.3%減)、営業利益は65億6800万円(0.8%増)である。東宝作品のほか、『ズートピア』、『ファインディング・ドリー』のヒットも大きかった。映画館入場者数は、239万3500人(3.1%減)とこちらもほぼ前年同期並みである。

■ アニメ製作事業、「僕のヒーローアカデミア」が牽引で成長続く

映像事業の営業収入は130億4300万円(2.6%減)、営業利益は26億6100万円 (2.8%増)である。映像パッケージ、アニメ製作、実写製作、ODS事業から構成されるが、ここでもアニメの存在感高まっている。
アニメ製作事業は28億6000万円で、前年同期比42.4%増と引き続き高い成長をみせている。製作出資はテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』『orange オレンジ』、映画『名探偵コナン純黒の悪夢(ナイトメア)』『君の名は。』などである。とりわけメ『僕のヒーローアカデミア』が好調だった。
映像パッケージ事業収入は38億8900万円(18%減)、実写製作事業は6億100万円、さらにODS事業は7億6500万円、ODSでは『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』、2.5次元ミュージカル『刀剣乱舞虚伝燃ゆる本能寺』などを上映している。

演劇事業は帝国劇場を中心に『Endless SHOCK』『エリザベート』などのヒットが相次いだ。営業収入は66億5400万円(6.0%減)、営業利益は13億300万円(同14.1%減)。不動産事業は、営業収入316億1200万円(3.0%増)、営業利益は90億4500万円(24.7%増)である。不動産賃貸事業が好調だった。
通期連結業績予想は引き上げたが、『君の名は。』のヒット拡大は今後の予測がつかない状態だ。さらに第4四半期には、前2作が大ヒットになっている『妖怪ウォッチ』の最新作も公開される。今後の状況次第では、さらなる数字の変化もありそうだ。

[東宝 2017年2月期上半期 主要配給作品]

『君の名は。』  120.0億円
『シン・ゴジラ』  74.7億円
『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』  63.1億円
『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』  41.2億円
『暗殺教室~卒業編~』  35.1億円
『映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃』  21.1億円
『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ』 20.5億円
※いずれも2016年9月末時点の集計

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