電通がカナダのアニメーション会社DHXメディアと新作テレビ番組『MEGA MAN』(『ロックマン』)で共同事業に挑む。2017年4月3日、電通とDHXメディアは、『ロックマン』の新作アニメーションの制作と、米国の大手子どもチャンネル カートゥーン・ネットワークでの放送決定を発表した。さらに本作はカナダのファミリーCHRGDでも放送されることになった。
『ロックマン』は、1987年にカプコンが発売したゲームソフトとそのキャラクター。大ヒットとなった本作はその後、100タイトル以上のシリーズが制作された。シリーズ累積販売は約3100万本にも達する。とりわけ海外で高い人気を誇っており、米国向けに独自のテレビアニメシリーズが製作されたほどだ。玩具やキャラクター商品も広く展開されている。
今回の新シリーズは、電通の現地法人電通エンタテインメントUSA((Dentsu Entertainment USA))が、そんなロックマンの人気に目をつけた。ビジネスのパートナーに米国のクリエイティブスタジオのマン・オブ・アクション(Man of Action)を選び、ワールドワイド向けの新作アニメとして開発を進めていた。
製作発表は2015年にされていたが、今回、新たにDHXメディアが北米のビジネスパートナーに、アニメーション制作にその子会社DHXスタジオが決まった。さらにカートゥーン・ネットワークでの放送決定でビジネスは一気に進展する。放送は2018年以降を予定する。
マン・オブ・アクションは、米国の人気アニメーション『ベン10』の原作や映画『ベイマックス』のキャラクター作り、テレビアニメーション版の『スパイダーマン』、『アベンジャーズ』など数多くのヒット作に関わってきた。DHXメディアはキッズ向け番組で世界を代表するカナダ企業、『テレタビーズ』などでお馴染みだ。
脚本はマン・オブ・アクション、アニメーション制作にはDHXメディアのグループ会社DHXスタジオを起用する。また日本原産のキャラクターではあるが、グローバル市場を狙うことから敢えて北米の有力企業に任せる。
シリーズは6歳から11歳をターゲットにした3Dアニメーションとなる。30年にわたり愛されてきたキャラクターだが、新たな世代の取り込みがその役割だ。
新作では主人公アキ・ライト(Aki Light)がメガパワーを得てロックマンに変身する。シリーズでお馴染みの犬型ロボットのラッシュ(Rush)も登場し、さらにロックマンミニ(Mega Mini)、スナ・ライト(Suna Light) が新キャラクターとして加わる。
ビジネス面では電通が日本を含むアジアでの配給とライセンスを担当。DHXメディアがそれ以外の世界マーケットを担当する。双方がそれぞれ得意とする地域でビジネスを広げる。
ビジネスの中心となる電通エンタテインメントUSAは、長年、米国でアニメやキャラクターの事業を展開してきた。これまでに『妖怪ウォッチ』、『ダンボール戦機』の北米展開、『獣旋バトル モンスーノ』やアニメ『デルトラクエスト』の海外共同製作などの実績がある。今回は日本の人気キャラクターのリバイバルで勝負をかける。
電通は今後も、日本コンテンツを原作にグローバル市場向けの新たなコンテンツ開発やビジネス拡大に取り組むとしている。新作『ロックマン』はその試金石になりそうだ。
『ロックマン』 新作アニメ 制作スタッフ
原作: カプコン
制作: 電通エンタテインメントUSA/DHX メディア/マン・オブ・アクション
脚本: Man of Action
アニメ制作: DHX スタジオ