東京国際映画祭に合わせて毎年秋に開催されてきた国際見本市TIFFCOMが、2020年はオンラインに移行する。「TIFFCOM 2020」として11月4日から6日までの3日間、オンライン開催を予定する。企業・団体によるオンラインブースを設けるほか、ビジネスマッチング、スクリーニング、セミナー・イベントなど、当初オフラインで予定していた見本市機能をインターネット上に移す。
同時開催される第33回東京国際映画祭は、オンライン活用も積極的に取り入れるかたちで東京・六本木地区で10月31日から11月9日まで実施する予定だ。映画祭はオンサイトとオンライン、マーケットはオンラインのかたちとなる。
当初「TIFFCOM 2020」も、オンサイトとオンラインの双方での取り組みを目指していた。しかし上映が中心の映画祭に較べてマーケットは、不特定多数との密なコミュニケーションが中心となる。また現状で海外からの参加者の来日が可能かどうかの見通しがつかない。そこでオンラインのみと大胆に方針を変更することになったとみられる。
2020年は開催時期を映画祭の日程と被せ、会場も映画祭本会場に近い東京プリンセスホテルを予定していた。これまで以上に映画祭と連動するなかでの成果も期待されていただけに、やや残念な結果となった。
TIFFCOMは映画祭をビジネス面から補完する目的で設けられている国際コンテンツ見本市である。国内外の映画やテレビ番組、アニメーションの企画者、製作者、企画者、バイヤーが一同に介し、番組や番組企画の売買、出資、パトートナーシップを目指す。
世界には国際映画・番組・コンテンツ見本市は数多くあるが、TIFFCOMはアジアを代表するひとつである。なかでもアニメーションビジネスは活発で、国内のアニメ関連企業にとっては春のAnimeJapanと並び、国内での海外番組販売の重要なマーケットとなっている。「AnimeJapan 2021」の開催中止に続く、TIFFCOMのオンライン移行で、海外アニメビジネスのリアルな取引の場は一年以上なくなる。
それだけに「TIFFCOM 2020」がオンライン上でどのぐらい、国際ビジネスに対応できるかが注目される。注目されるのはオンラインブースで、オンライン上にVRのブースが出現し、コンテンツ情報や出展者情報をワンストップで提供する。
オンライン・ビジネスマッチングでは業種やカテゴリーから検索ができ、登録情報によるレコメンド検索機能も持たせる。作品を知るスクリーニングはこれまでもオンラインが積極的に活用されてきた。そしてセミナーもオンラインに移行するが、昨今はオンライセミナーをかなり一般的になっているため、ストレスなく活用されそうだ。
TIFFCOM事務局では、現在バイヤーやビジターの登録申し込みを受け付け中だ。
TIFFCOM ONLINE
https://tiffcom.jp/ja/tiffcom_online_outline
2020年11月4(水)~6日(金)3日間