アニメーション制作が活況を呈するなかで、制作スタッフの人材育成の必要性、就業環境の改善などが広く指摘されている。そうしたなかで、アニメ業界とアニメ関連の教育機関が連携して、業界の発展を目指す組織がこのほど立ち上がった。日本動画協会が主催・運営する「アニメ人材パートナズフォーラム(AJPF)」である。
2017年3月26日に、東京ビッグサイトにて設立総会が開催された。設立にあたって日本動画協会の理事長である石川和子氏(日本アニメーション代表取締役)が、今回の意義について挨拶をしたほか、AJPFに参加する専門学校、大学の代表も参加し、互いに協力し合うことを確認した。
AJPFのスタート時の役割は、主に2点となる。まずはアニメ業界から教育機関へのサポートである。教材の提供や、現場での経験豊かな人材の講師派遣、さらにインターシップの場を提供する。教育機関での実学の強化をサポートするかたちだ。
さらに学生に対するリクルートのシステムづくりが大きなポイントになる。リクルートのための専門のウェブサイトを構築し、会員各社は業種別の求人情報を提供する。加盟校の学生は、これを通じて募集されている仕事を知り応募が可能になる。これまではばらばらに行っていた求人情報を集約することで、修業機会を増やす。実際にどの程度活用されるか、まず2017年度の運用が注目される。
AJPFの運営は日本動画協会が担当するが、参加企業は協会の会員会社だけに限定しない。会員会社以外の利用も可能だ。日本動画協会に加盟しない。むしろ人材募集に余力ばない中小規模の制作会社にこそ、有用な仕組みと言えるかもしれない。
加盟校も大手の専門学校のほか、大学も参加するなど幅広い。加盟校が増えるに連れて、就職のマッチング機会はどんどん高くなる。今後さらに加盟校を増やすことも、今後、より重要になるだろう。