今年で開催16回目を迎える吉祥寺アニメーション映画祭が、拡大する新型コロナ感染症の影響を受けることなった。2021年2月21日に東京武蔵野市の武蔵野公会堂にて開催予定であった上映やトークショーのプログラムを中止、審査結果発表と表彰式のみを無観客で開催すると発表した。
ノミネート作品はウェブサイトにて動画公開により代替する。また表彰式の模様と映画祭プログラムを60分にまとめて、J:COMの特別番組として放送する予定だ。放送日や放送形態などは、後日告知する。
吉祥寺アニメーション映画祭は2005年に、武蔵野市在住の竹熊健太郎氏の提唱により始まったイベントである。映画祭の中心は、短編アニメーションのコンペティションである。
国内にアニメーションのコンペティションは少なくないが、国内短編アニメーションにフォーカスして継続的に開催するもの数が少ない。また吉祥寺アニメーション映画祭は通常の映画祭コンペティションよりも、新しいもの、面白いものを積極的に取り上げてきた。ここから注目されるようになった作家、クリエイターの少なくなく、独自の存在感を発揮している。コンペティション自体は今年も実施されるが、上映会・トーク形式のイベントは初めて途絶えることになった。
開催に先立って、ノミネート作品はすでに発表されている。今年も学生作品から商業シーンで活躍する作家、そして表現方法も多彩な14作品が集まった。
それでも手描きの2Dやストップモーションの手ざわり感の溢れる作品が多くみられる。2020年から21年にかけて国内のアニメーションシーンを気づかせるラインナップにもなっている。
【2020年度ノミネート作品】
■『ブラジャーねこ』 栗田百嶺
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■『捨てられた種』 呂逸飛
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■『まよなかのいぬごやレース』 MATSUMO
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■『anipulatio』 瀬尾宙
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■『Happy Birthday』 日本工学院クリエイターズカレッジマンガ・アニメーション科
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■『The Balloon Catcher』 金子勲矩
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■『化猫ヤス』 増田優太
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■『Canaria』 油原和記
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■『COMET』 中村匠吾
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■『THE・MOB』 オダアマネ
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■『やわらかなしろ』 三川音璃
■『ミミズを拾ってみた』 李叔芹
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■『いしのしし』 松尾みゆき
■『Waltz』 宮澤真理