Huluオリジナルアニメ「ソウタイセカイ」に挑む櫻木優平 宮崎駿から学んだのは“我慢”?

「ソウタイセカイ」

 テレビからでもなく、劇場からでもなく、新しいメディアから新しい才能が飛び出す。定額課金映像配信サービスのHuluのオリジナルアニメ『ソウタイセカイ』の製作と配信が決定した。監督は、クラフターの櫻木優平が務める。2017年3月25日に、Huluとクラフターから発表された。
 『ソウタイセカイ』はオリジナル原作・企画の作品で、櫻木監督が脚本も務めた。前編が4月28日より、後編は5月5日からHulu Japanで独占配信される予定だ。

 3月25日には、東京ビッグサイトで開催される総合アニメイベント「AnimeJapan 2017」の日本テレビブースで製作発表、そして櫻木監督のトークが行われた。トークにはクラフターの石井朋彦プロデューサーも出演、Huluの町田有也氏のMCで作品に対する想いを語った。
 櫻木監督によれば、『ソウタイセカイ』は私たちが住むのと対をなすもうひとつのニホンがある世界が舞台だ。そこからもうひとりの自分がやってくる。現段階では情報は限られているが、SF作品である。「パラレルワールドのような世界。もうひとつの世界には日本の面影がある」とその設定を説明する。 
 そして、技術的な見どころも多そうだ。「背景まで3Dで作っている」とCGをフルに活用した作品の特長を明らかにする。

 『ソウタイセカイ』の制作では、他にはない技術も目指す。石井プロデューサーは、セルルックのCGを敢えて「スマートCGアニメーション」と呼び他作品との差別化を図る。「見た目のセルルックだけでなく、モーションキャプチャやVRでクオリティアップし、技術を一緒にするもの」とそれを説明する。
 そして新しい技術は新しいアイディアを生み出す。『ソウタイセカイ』では、櫻木監督が絵コンテを書かずにいきなり3Dレイアウトからアイディアをかたちにした。また20代、30代のスタッフがワイワイいいながら、その場でアイディアをかたちにしていく体制だと紹介。
 櫻木監督は「監督自身が3Dを扱えるなら、3Dから入ったほうが早い」と、これまでの常識に捉われない様子だ。

 トークでは、櫻木監督の人柄に触れるシーンもあった。監督は宮崎駿監督の最新短編作品『毛虫のボロ』のCGアニメーション制作を務めたことでも知られる。その仕事の様子はNHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」でも放送された。
 そこで「宮崎駿監督との仕事で学んだことは?」と振られると、「我慢すること」との答えが。「我慢の中にクリエイティブがある」という。さらに「技術よりもの作る覚悟を学んだ。人を背負うことに対する責任感」とものを作る姿勢に感銘を受けたようだ。
 
 一方で、好きな作品を聞かれると『けものフレンズ』に対する愛を語り出すなど、若者らしい素顔を見せる。
 「作品は早く作りたい。思ったことをすぐ出すタイプ」、「半年後には違うことを考えている」とも話す櫻木監督は、まさにいまの若い世代にダイレクトに通じ合う、新世代のクリエイターだ。そうであれば、『ソウタイセカイ』がどんな作品になるかも、俄然興味が沸いてくる。

『ソウタイセカイ』
http://www.soutaisekai.jp/   

企画・原作: クラフター
脚本・監督: 櫻木優平
音楽: カワイヒデヒロ
キャラクターデザイナー: PALOW.
コンセプトアート: 友野るい
CGIスタジオ: クラフター・ラッキーピクチャーズ
制作: クラフター
製作: Hulu・クラフター

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