日本のアニメやマンガ、キャラクターをテーマに、アジア地域で展開するふたつの大型イベント「Anime Festival Asia(AFA)」と「C3」が、2017年に統合されることになった。2017年3月22日にソニー・ミュージックエンタテインメント、そのグループ会社SOZO Pte. Ltd.、そして創通から発表された。
SOZOはシンガポール、バンコク、ジャカルタの3都市で「Anime Festival Asia」を、創通は東京、香港、北京、バンコクで「C3」をそれぞれ企画、運営し人気を集めてきた。両社はそれぞれのイベントを統合し、2017年からは「C3 AFA」の名前でイベントを展開する。
まず2017年6月10日に、これまでは両社が個別にイベントを展開していたタイ・バンコクで「C3 AFA BANGKOK 2017」を開催する。その後は、8月にインドネシア・ジャカルタ、千葉・幕張メッセ、11月にシンガポール、年明け2018年2月は香港でも新たなブランドでの「C3 AFA」が登場する。
AFAは2008年にSOZOがシンガポールでスタートした日本のアニメやマンガ、アニソンの一大イベント。東南アジア地域での日本のポップカルチャーの人気を背景に急成長をしている。2016年は期間中に9万4000人の動員を記録した。米国・ロサンゼルスのAnime Expo、フランス・パリのJapan Expoと並ぶ、日本国外で開催される日本ポップカルチャーの代表的なイベントである。スタート直後から各国へのフランチャイズに熱心で、東南アジアの複数都市で「AFA」を展開する。
一方、C3は2001年に東京での開催が最初となる。しかし、2009年にスタートした「C3 in HONKONG」が本家を上回るイベントに成長した。2016年には中国・北京、そしてシンガポールでも「C3 Chara Expo」を実施した。こちらもアジア各都市へのさらなるフランチャイズを目指している。
当初は東南アジア中心のAFAと、北東アジア中心のC3とで市場を分け合っていた。しかし、共にアジア展開を進めるなかで、2016年はバンコクとシンガポールでイベントが並立することで、ライバルとなった。
アジア各都市では、日本のポップカルチャー以外でもコミコンと呼ばれることが多い米国カルチャーが中心となるイベントも開催される。イベントの乱立は、来場者はもちろん、出展企業、スポンサー企業を取り合うことになる。
ふたつの日系イベントの並列は、国内外の企業にとっても、悩みの種になる。両方出展するにはコストがかかり、片方にするとすればどちらがよりよいかというわけだ。
今回のイベントの統合により、AFAとC3とで同じ分野での競合を避けられる。同時に、それぞれがまだ未進出の地域にリーチを拡大できる。地域で知られたイベントのブランド力も発揮する。
日本ポップカルチャーの関連企業にとっても、各イベントの集客力のアップ、コストの集中、同一イベントを活用した広域マーケティングなどメリットが大きい。日本ポップカルチャー全体にとっても、ジャパンブランドの活性化に大きな効果が期待できそうだ。今後は「C3 AFA」が、これまでいずれも進出していなかった地域にも広がるのか、その統合パワーが注目される。
「C3 AFA BANGKOK 2017」
2017年6月10日(土)、11日(日)(予定)
会場: Siam Paragon Bangkok Thailand
「C3 AFA JAKARTA 2017」
2017年8月18日(金)、19日(土)、20日(日)
会場: JIEXPO Jakarta Indonesia
「C3 AFA TOKYO 2017」
2017年8月26日(土)、27日(日)
会場: 幕張メッセ
「C3 AFA SINGAPORE 2017」
2017年11月24日(金)、25日(土)、26日(日)
会場: Suntec Convention Center Singapore
「C3 AFA HONG KONG 2018」
2018年2月9日(金)、10日(土)、11日(日)(予定)
会場: Hong Kong Convention and Exhibition Centre