アジアで有数の規模を誇る日本ポップカルチャーのイベント「C3 AFA香港2020」が、開催中止を決定した。イベントは2020年2月14日から16日までの3日間、香港最大の国際展示場である香港コンベンション&エキシビジョンセンターで開催を予定していた。
「C3 AFA香港」は、2009年にスタート。2011年以降は毎年2月から4月のシーズンに開催されてきた。現在は創通とシンガポールのSOZOが主催する。パリのジャパンエキスポ、ロサンゼルスのアニメエキスポ、それにC3 AFAシンガポールと並ぶ日本国外で最大級のアニメ・マンガ・JPOPのイベントにひとつである。日本アニメやマンガ、ゲーム、音楽をファンにアピールする重要な場になっている。
次回開催については、詳細が決まり次第発表としている。今後もイベントは続くとみられるが、開催までしばらく時間が空きそうだ。
主催者は「香港の社会情勢を鑑み、主催者として慎重に考慮した結果、来場者・出展者・関係者の皆様方の安全面の確保が困難であるとの判断に至り」と説明する。いまも大規模に続く抗議活動のデモの影響を避けるかたちだ。
カルチャーイベントである「C3 AFA香港2020」は政治的な関わりは薄い。しかし期間中の動員は延べ20万人以上とされるかなりの規模であり、若い参加者も多い。大規模デモに巻き込まれれば混乱が起きる可能性も否定できない。
香港ではこれ以外にも、昨年10月26日に予定されていた水樹奈々の「NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019+」香港公演や、「SEKAI NO OWARI TOUR 2019『The Colors』ASIA」の香港公演が中止になっている。ポップカルチャー以外でも、テニスの香港オープン、自転車の香港サイクロソン、LGBTパレードが中止された。
一方で3月の香港国際映画祭と香港フィルマート、アートバゼール香港といった、地域を代表する大型イベントは引き続き開催予定となっている。