6月12日からフランスアルプスに近いアヌシーで、世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭が開幕した。17日までの6日間、各国から選りすぐられた映画が上映され、さらに国際見本市MIFAではアニメーションの様々なビジネスが行われている。
そんなアヌシーの名前を冠したイベントが、2019年9月にアジアにも登場することになった。13日朝、映画祭とMIFAを主催するCITIAと韓国のSBAアニメーションセンター、そしてSKブロードバンドは、戦略的提携を発表。そのひとつとして2019年9月に「アヌシー アジア 国際アニメーション映画祭(Annecy Asia International Animation Film Festival)」を開催すると発表した。“アヌシー”の名前を冠した映画祭がフランス以外で開催されるのは、これが初になる。会場は韓国がコンテンツ産業の集積を進めるデジタルメディアシティ(DMC)を予定している。
SBAアニメーションセンターは、韓国のアニメーション、コミック、ゲームの各産業振興のために1990年に設立された組織である。現在は、国際アニメーション映画祭SICAFを毎年開催している。また、共にプロジェクトを進めるSKブロードバンドは、韓国を代表する通信会社。民間企業が、同国のアニメーション産業振興に協力する。
発表にあたり韓国側は、いまや世界のアニメーションの半数はアジア地域で制作されていることを、プロジェクトの意義としてたびたび挙げた。アジア地域のアニメーションの多くを制作するのは、日本や中国だが、そうした国との連携については今回は触れられなかった。アヌシーの名前は世界のアニメーション業界のなかでは大きなブランドだけに、今後は他国と連携も期待したいところだ。
イベントについては、現在のアヌシーで行われているアワード形式のコンペティションは現段階で考えていないようだ。大物クリエイターやプロデューサーが登場する「マスタークラス」やカンファレンスのようなかたちを目指しているという。映画祭というよりもセミナーや国際マーケットを念頭に置いているように感じられる。
ただ全体に決まっていることはまだ少なく、開催時期も2019年は決定、時期はK-POPフェスティバルのある9月初旬を予定しているとした。詳細は、今後追って発表される。