マンガやイラスト、アニメーション制作でお馴染みのソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT」が、大きな記録を達成した。開発・発売元のセルシスは、「CLIP STUDIO PAINT」の日本と海外を合わせた累計出荷数が1000万本を超えたことを明らかにした。2012年5月の発売から8年余りで偉業だ。
CLIP STUDIO PAINTはクリエイター向けのPCソフトウェア開発のセルシスを代表する商品として知られている。ペンタブレットを活用し、マンガやイラストを描くことに力を発揮する。マンガ家やイラストレーター、デザイナーなどに広く活用されている。描画ソフトは国内外に様々な種類があるが、他商品に較べて低価格に抑えられているのも特徴である。このためエントリーユーザーや、大学や専門学校などの導入も多い。これが利ユーザーの拡大につながっている。描画ソフトのスタンダードとみなされている。
もうひとつの特徴は、海外ユーザーの多さだ。製品は日本語版のほか英語版、中国語(繁体字)版、韓国語版、フランス語版、スペイン語版、ドイツ語版が提供されている。世界の主要言語で展開する。この結果、出荷数の60%以上が海外向けになっている。
海外ユーザーの拡大は、日本のマンガの高い人気とも関係がありそうだ。グローバルのコミックス出版でマンガは高いシェアを占め、また若い読者が多い。そうした若者が自身でマンガを描きたいと思った時に、「CLIP STUDIO PAINT」を手に取る。日本発のソフトであるため、筆ツールなどの作画、彩色などのマンガ制作や日本スタイルのイラストレーションづくりに最適な機能を備えているからだ。
「CLIP STUDIO PAINT」のもう一つの機能は、アニメーション制作である。こちらは2Dアニメの作画や原画、動画、動検、彩色など幅広い機能に対応する。特にセルシスのもう一つソフト「RETAS STUDIO」と連携することで、彩色や仕上げに力を発揮している。
海外大手が開発したソフトが多いアニメーション業界で、今後の活躍が期待されている。業界でより使われるためには、多くのユーザーが使用することで起きるデェファクトの確立が重要になる。そうした点でも出荷数1千万本は、大きな意味を持ちそうだ。
CLIP STUDIO PAINT https://www.clipstudio.net/