WOWOW、専門CH・配信で多角化目指す アクトビラとIMAGICA TV相次ぎ子会社化

テレビ

 有料衛星放送のWOWOWが、放送事業の多角化に向けていっきにアクセルを踏む。2017年2月24日に同社は、専門チャンネル運営のIMAGICA ティーヴィ(IMAGICA TV)と映像配信サービスのアクトビラの2社を子会社化すると発表した。
 IMAGICA TVは、イマジカ・ロボットホールディングス(イマジカ・ロボットHD)から発行済株式の全てを27億700万円で取得する。アクトビラについては、既存の株主からの株式を5億9500万円で取得するほか、第三者割当増資を2億円引き受ける。取得価額は7億5900万円になる。両社を合わせたWOWOWの投資金額は34億円を超える。

 WOWOWは1991年に設立された民間有料衛星放送の先駆者で、現在、「WOWOWプライム」「WOWOWライブ」「WOWOWシネマ」の3つチャネルを運営する。映画やスポーツ、ドラマ、ライブエンタテイメントなどを中心に番組提供している。
 IMAGICA TVは、イマジカ・ロボットHDの放送事業会社で年間売上高57億円、2016年3月期には2億2500万円の営業利益を計上している。イマジカ・ロボットHDは近年、映像技術サービス、映像製作などの総合企業で、映像ローカリゼーションのSDIメディアやアニメ製作のOLMの買収など事業の拡大に積極的だ。しかし、今回は放送事業を非中核事業として、よりシナジー効果の高いWOWOWに引き渡すかたちになった。
 またアクトビラは2007年にパナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所などのAVハード機器を中心に次世代の映像サービス企業として設立された。配信サービスを中心としているが、必ずしも事業は広がっていない。WOWOW傘下になることで、経営の主導がハードメーカーからコンテンツ製作・流通側に移る。

 IMAGICA TVは、「イマジカBS 映画」と「歌謡ポップス」チャンネルを衛星、CATVなどに放送している。今回WOWOWは、運営チャンネルを一挙に5つまで増やすことになる。規模の拡大と、ラインナップの充実を実現する。
 IMAGICA TVのもうひとつの特長は、ホテルや法人向けの映像配信事業である。WOWOWの番組活用と、視聴者のリーチの拡大も期待できそうだ。
 アクトビラの子会社化も、WOWOWの映像配信ビジネスへの進出を強める。WOWOWは映像配信のノウハウと有料放送のノウハウを融合することで新たな映像配信事業を目指すとしている。
 
 チャンネルの拡大と映像配信事業への進出と、WOWOWにとっては設立以来の経営の大きな転換点ともなる。現在のWOWOWは加入者数が2016年末で284万人、有料放送からの収入を中心に年間売上高は2015年で752億円、経営は安定している。
 こうしたなかでの大胆な決断は、近年の放送事業を取り巻く急激な変化にある。映像配信ビジネスの成長が将来的に有料衛星放送や、CATVのビジネスを脅かしかねないからだ。そこで自局のコンテンツを充実させ、さらに自ら配信事業に進出し、これに対抗する。2月23日 には、アニメ専門チャンネルの1位と2位であるアニマックスとキッズステーションの経営統合が発表されたばかり。放送業界の激変は、今後も続きそうだ。

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