フジ・メディア・ホールディングス(フジ・メディアHD)は、2017年2月3日に17年3月期第3四半期の決算発表をした。連結売上高は4886億7200万円(3.1%増)、営業利益が202億100万円(44.5%増)、経常利益は266億4900万円(34.9%増)、当期純利益は225億円(65%増)と増収増益となった。
都市開発事業の売上げ、利益が大きくの伸びたほか、放送事業での営業コストの絞り込みが業績につながった。通期業績予想に向けた達成率は順調で、引き続き売上高6632億円、営業利益272億円、当期純利益245億円を見込む。
■ イベント好調も映画、ビデオ、マーチャンダイジング減収
フジテレビ、BSフジ、ニッポン放送を中心とした放送事業は、売上高2370億7600万円で1.2%の減収となったが、営業利益は68億8200万円(38.5%増)としている。フジテレビは減収増益、BSフジは増収増益、ニッポン放送は増収減益である。
制作事業はフジクリエイティブコーポレーション、共同テレビジョンなどの番組制作会社からなるが、番組受注の減少に加えて、受注単価も下がっており、売上高365億3400万円(5.3%減)、営業利益は16億800万円(15.9%減)と厳しい環境が続いている。
このほか生活情報事業(ディノス・セシール、サンケイリビング新聞社他)が減収増益、広告事業(クオラス)が増収減益である。
フジテレビでは、放送以外のその他事業の売上が大きく伸びた。売上高は428億7000万円で13.8%の増加である。シルク・ドゥ・ソレイユ公演「トーテム」や「お台場みんなの夢大陸2016」が貢献した。
しかし、『暗殺教室~卒業編~』『ONE PIECE FILM GOLD』のヒットがあった映画事業は64億200万円(4.6%減)、デジタル事業52億8600万円(10.9%減)、MD事業38億2900万円(11.2%減)、ビデオ事業16億8100万円(24.3%減)となった。映像関連事業の苦戦が目立つ。
■ FOD有料会員80万人 番組配信事業黒字定着
一方で、新たな成長分野とする番組配信とゲームは好調だ。番組配信は、映像・コンテンツプラットフォームのFOD(フジテレビオンデマンド)を中心に拡大が続いている。また事業は黒字化しており、今後の成長も見込めるとしている。
FODは広告をつけた無料見逃し配信と、月額888円の定額見放題、番組ごとの課金と3つのサービスを提供している。有料会員は現在までに80万人となり、無料配信も含めた月間利用者は350万人となった。
大手配信プラットフォームへの番組提供も収益につながっており、今後は、無料配信広告の強化を目指す。またVR映像にも力を入れるとしている。
ゲーム事業では、フジゲームスが展開する『ファントムオブキル』が350万ダウンロード、『誰ガ為のアルケミスト』が110万ダウンロードと好調。『ファントムオブキル』は海外展開も進めている。
リニューアル後の『シノビナイトメア』、17年夏リリースの『プロジェクトクロノス』が今後期待される。17年度は大型タイトル2作品、18年以降も年に2本から3本のリリースを目指す。