高橋留美子、米国アイズナー賞「コミックの殿堂」に3度目のノミネート

アワード/コンテスト

 米国のコミコン・インターナショナルは、コミックの賞として有名なアイズナー賞(Eisner Awards)のうち2017年の「コミックの殿堂入り」4名と殿堂入り候補の17名を発表した。「コミックの殿堂」は、例年は審査委員が選んだ2名を自動的に殿堂入りとし、さらにノミネートの中から投票で4名を決定する。
 しかし、今年は賞の名前に由来するウィル・アイズナーの生誕100周年を記念して4名を審査員による殿堂入りとした。選ばれたのは、いずれも故人で大物が並ぶ。
 新聞コミックのパイオニアMilt Gross、『ワンダーウーマン』のオリジナル版のイラストを手がけたH. G. Peter、風刺雑誌「MAD」の看板作品『Spy vs. Spy』の作者Antonio Prohias。そして1980年代にアンダーグランドコミックスで活躍したDori Sedaである。Sedaは1988年に37歳の若さでなくなっている。

 投票により選ばれる候補には、17人の名前が挙がった。大物コミックアーティストと共に、日本のマンガ家から高橋留美子の名前も並んでいる。
 高橋留美子は、『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』『境界のRINNE』など数々のヒット作を持つ。1970年代から現在に至るまで、常に第一線で活躍している日本を代表するマンガ家である。
 その作品は90年代より米国で翻訳出版され、なかでも『らんま1/2』は出版元のVIZの初期の経営を支えた。米国における日本マンガ普及の立役者である。日本からコミックの殿堂入りをしたのはこれまでに6人のみ、手塚治虫、小池一夫、小島剛夕、大友克洋、宮崎駿、水木しげるである。高橋留美子はこれに並ぶ資格があると言うわけだ。

 一方、実際に選ばれるかは、候補者が大物ばかりだけに、ハードルが高いのも事実だ。実際に高橋留美子のノミネートは、2014年、2016年に続き実に3度目となる。しかし、逆に言えば、多くの人が殿堂入りを待ち望んでいる。
 殿堂入りは、投票は米国のコミック関係のアーティスト、編集者、出版関係者の投票により決定する。発表は8月にサンディエゴで開催されるコミコン・インターナショナルの場で行われる。

[2017年アイズナー賞 コミックの殿堂入り]
■ Milt Gross
■ H. G. Peter
■ Antonio Prohias
■ Dori Seda

[2017年アイズナー賞 コミックの殿堂入りノミネート]
■ Peter Bagge ■ Howard Cruse ■ Steve Englehart ■ Justin Green
■ Roberta Gregory ■ Bill Griffith ■ Gilbert and Jaime Hernandez
■ Francoise Mouly ■ Jackie Ormes ■ George Pérez ■ P. Craig Russell
■ Posy Simmonds ■ Walt Simonson ■ Jim Starlin
■ 高橋留美子 ■ Garry Trudeau

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