毎日映画コンクール アニメーション部門候補に長編8作品、短編13作品

アワード/コンテスト

 毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が共催する「毎日映画コンクール」の第74回候補作品が、2019年12月20日に発表された。アニメーション部門の候補作も明らかになっており、長編映画8作品、短編映画13作品のタイトルがあがった。
 毎日映画コンクールはアニメーション部門にアニメーション映画賞と大藤信郎賞のふたつのアワードを設けるが、ノミネート段階ではこのふたつは区分していない。さらに長編映画、短編映画にも区別を設けていないのが特徴だ。21作品は隔てることなく審査されるため、21作品全てにふたつの賞を受賞する可能性を持つ。

 ただしノミネート対象は、2019年1月1日から12月31日までに上映された映画(予定を含む)、もしくは完成した作品(テレビ作品は含まない)となる。このため12月20日に公開されたばかりの『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』も候補に含まれている。

 長編映画はこの他に、『海獣の子供』、『きみと、波にのれたら』、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』、『空の青さを知る人よ』、『天気の子』、『薄暮』、『HELLO WORLD』、『プロメア』の名前が挙がっている。映画としてオリジナル企画されただけでなく、原作・原案も映画のためのオリジナルが目立つ。また若手から中堅の野心的な作品が多い。いずれも高い評価を受けており、2019年の劇場映画の充実ぶりを感じさせるのに充分だ。
 短編映画も多彩だ。巨匠・山村浩二の最新作『ゆめみのえ』といったベテランと共に美術大学・大学院 の卒業制作が並ぶ幅広さになっている。『マイリトルゴート』のように海外映画祭でも受賞経験がある作品や、日本に留学する外国人作品などグローバルだ。

 毎日映画コンクールは、第二次世界大戦前の1935年にスタートした、国内で最も歴史のある映画賞のひとつである。その歴史の長さと確かな選考で、長年数ある映画賞のなかでも高い関心を集めてきた。
 アニメーション部門も、1962年に設立された大藤信郎賞が日本で最も古い映画賞となっている。1989年には、これとは別にアニメーション映画賞が設けられた。現在は映画として総合評価するアニメーション映画賞、実験的なアニメーションや斬新な映像表現を評価する大藤信郎賞と分けられている。
 昨年の第73回はアニメーション映画賞に『若おかみは小学生!』、大藤信郎賞には『リズと青い鳥』が選ばれた。いずれも長編作品であった。今回はノミネート作品から5人で構成する2次選考委員が受賞作品を決定し、2020年1月に発表する。2月に授賞式が開催される。

毎日映画コンクール https://mainichi.jp/mfa/

【アニメーション部門】アニメーション映画賞・大藤信郎賞 ノミネート作品
()内は監督名

【長編映画】
『海獣の子供』(渡辺歩)
『きみと、波にのれたら』(湯浅政明)
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直)
『空の青さを知る人よ』(長井龍雪)
『天気の子』(新海誠)
『薄暮』(山本寛)
『HELLO WORLD』(伊藤智彦)
『プロメア』(今石洋之)

【短編映画】
『ある日本の絵描き少年』(川尻将由)
『鬼とやなり』(副島しのぶ)
『くじらの湯』(キヤマミズキ)
『サイシュ~ワ』(ぬQ)
『『四月』Pieces of April』(周小琳)
『深海の紅』
『絶望の怪物』(コタニジュンヤ)
『創造的進化』(ソン・ヨンソン)
『澡堂的象―浴場の象―』(程嘉琳)
『FIREHEAD』(山田遼志)
『マイリトルゴート』(見里朝希)
『めかくれ』(野中晶史)
『ゆめみのえ』(山村浩二)

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