2017年3月10日から13日まで、東京・池袋を中心に東京アニメアワードフェスティバルが開催される。映画祭の目玉となるのは、長編部門と短編部門からなる国際コンペティションである。このオフィシャルコンペ作品が、1月26日に発表された。
コンペティション部門には世界52ヵ国・地域から671作品の応募があり、審査のうえで長編部門4作品、短編部門34作品が選ばれた。映画祭期間中に上映され、最終日には各部門よりグランプリと優秀賞が発表される。
長編部門は『April and Extraordinary World』、『Ma vie de Courgette (My Life as a Zucchini)』、『The Girl Without Hands』、『Bad Cat』。4作品とコンパクトだが、話題作が並んでいる。
一番よく知られているのは、スイスのクロード・バラス監督の『My Life as a Zucchini』だろう。2016年アヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリ、先頃は米国アカデミー賞長編アニメーション部門のノミネート5作品にも選ばれている。クロード・バラスは短編で名を馳せた後、今回初めてのストップモーションで長編に挑んだ。
『April and Extraordinary World』と『The Girl Without Hands』はフランス映画、『My Life as a Zucchini』も含めてフランス語圏の映画が強さを発揮している。『April and Extraordinary World』は2015年のアヌシーのグランプリだ。『The Girl Without Hands』はドイツの民話を題材にデッサンや墨絵のような映像を見せる。
『Bad Cat』はトルコのCGアニメと、日本人にとっては鑑賞の機会がとりわけ貴重な作品になりそうだ。コミックを原作にアクションたっぷりのコメディに仕上がっている。
短編アニメーションでも、フランスが強さを発揮した。フランスは全部で7本、さらにベルギー3本、デンマーク2本、ドイツとスイスが各1本と西ヨーロッパからの作品が多くなっている。
日本からは5作品が選ばれた。『てのひらのにわ』(梅村晴香)、『あたしだけをみて』(見里朝希)、『RED FOREST』(オウ・イコン)は、いずれも大学院で制作したもの。日本の学生のレベルの高さを感じさせる。
一方、『L’Oeil du Cyclone』の平岡政展は、多彩なジャンルで活躍する。近年は海外でも評価が高まっており、注目されている。
『THE GIFT』は異色作である。作品の内容だけでなく、技術面で際立った特徴を持っている。マーザ・アニメーションプラネットがゲームエンジンのUnityの技術を用いることでフルCGと同様の映像を実現したというものだ。
アジアからに日本のほか、台湾から2本、中国、シンガポール、ミャンマーから各1本が上映される。とりわけ日本で映像作品が紹介されることの少ないミャンマーの『My Life I Don’t Want』は注目したい。
東京アニメアワードフェスティバル 2017
http://animefestival.jp/ja/
日程: 2017年3月10日(金)~13日(月)
会場: 池袋 他
主催: 東京アニメアワードフェスティバル実行委員会、一般社団法人日本動画協会
共催: 東京都