毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が主催する毎日映画コンクールの2023年の受賞作品が、2024年1月19日に発表された。毎日映画コンクールは1946年にスタート、国内でも歴史の長い映画賞のひとつだ。
アニメーション部門も歴史は長く、大藤信郎賞は1962年が第1回で60年以上の歴史がある。アニメーション映画賞は1989年が最初だ。アニメーション映画賞は該当年の最も優れた作品、大藤信郎賞は芸術的・実験的に優れたアニメーションに与えられるとしている。
2023年のアニメーション映画賞は、岡田麿里監督の『アリスとテレスのまぼろし工場』が受賞した。また大藤信郎賞は宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が選ばれた。両賞は長編と短編の両方を対象としているが、今回はいずれも話題の長編劇場映画からである。
『アリスとテレスのまぼろし工場』は、鉄工所の事故をきっかけに時間の静止してしまった街に取り残された少年少女たちのドラマを描く。胸に刺さる人間ドラマや映像、美術の素晴らしさが見どころとなる。
『君たちはどう生きるか』は、第二次大戦中に母親を亡くした少年が田舎の屋敷から母親の声と謎のアオサギに導かれて不思議な世界に迷い込む。冒険ファンタジー仕立てで宮崎駿ワールドが描かれる。アニメーション制作はスタジオジブリ。
スタジオジブリ関係の受賞はもうひとつある。特別賞に、スタジオジブリの多くの作品でプロデューサーを務めてきた鈴木敏夫氏が選ばれている。特別賞は、長年、映画業界に貢献してきた者に与えられる。これまでに映画監督、プロデューサー、経営者、評論家ほか幅広い映画人から選出されている。鈴木敏夫氏は、スタジオジブリから数々の作品を送り出してきたこと、そしてスタジオ経営者としての実績が選ばれた理由であろう。
この他、日本映画大賞、日本映画優秀賞、監督賞など十数のアワードの結果は、毎日新聞のサイトにて確認出来る。表彰式は2月14日、近年はミューザ川崎シンフォニーホールで開催されてきたが、今回は目黒区の協力も得て目黒区八雲のめぐろパーシモンホールで行われる。