2017年1月17日、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)実行委員会と一般社団法人日本動画協会は、東京アニメアワードフェスティバル 2017のアニメ功労部門の顕彰者10名を発表した。
受賞者は、音響監督の明田川進氏、監督・演出の池田宏氏、作画監督・アニメーターの近藤喜文氏、プロデューサーの後藤田純生氏、美術監督の辻忠直氏、アニメーション作家の古川タク氏、歌手の前川誉公(陽子)氏、声優の増山江威子氏、マンガ家の松本零士氏、色彩設計の保田道世氏である。このうち近藤氏、後藤田氏、保田氏は、故人となる。
アニメ功労部門は、東京アニメアワードフェスティバルのコア事業であるアワードのひとつとして設けられている。毎年、国内のアニメ業界に長年貢献してきた人物・団体を各分野から顕彰している。2005年の東京国際アニメフェアの東京アニメアワードにて特別功労賞が設けられたのが第1回。2014年からはTAAFが引き継ぎ、今年で13回目を迎える。
受賞者は毎年、アニメーションの幅広い領域から選ばれている。今回は、テレビや劇場長編にスポットが当たりがちななかで、1960年代から短編アニメーションの分野で活躍する古川タク氏が選ばれたことが目を惹く。アート作品やCM、イラストレーションで多くの作品を残している。
TAAFの期間中に、杉並アニメーションミュージアムでは「アニメ功労部門顕彰記念―古川タク特別上映会―」を実施する。代表作の上映と自身によるトークも行われる。
故人からの受賞となった近藤喜文氏は、『火垂るの墓』『魔女の宅急便』『もののけ姫』などの作画監督として知られるが、キャラクターデザインなど広い仕事を残した。とりわけ1995年の『耳をすませば』では監督を務めている。スタジオジブリの作品を多く手掛けている。やはり故人となった色彩設計の保田道世氏も、東映動画(現東映アニメーション)からキャリアをスタートさせ、『魔女の宅急便』『千と千尋の神隠し』『風立ちぬ』など、スタジオジブリの作品で活躍した。
後藤田純生氏は、NHKで最初のテレビアニメとなった『新しい動画 3つのはなし』のプロデューサー。2004年に逝去している。
明田川進氏は、音響監督のアニメ音響の先駆者として知られる。1967年の『リボンの騎士』からはじまり『AKIRA』や『SF新世紀レンズマン』を手がける。平成24年度文化庁映画賞も受賞している。池田宏氏は『魔法使いサリー』などの監督として、辻忠直氏は『マジンガーZ』などの美術監督として活躍した。
また『ひょっこりひょうたん島』や『キューティーハニー』『魔女っ子メグちゃん』の主題歌で活躍した前川陽子氏、峰不二子役の声優などで知られる増山江威子氏はファンにもお馴染みだろう。
松本零士氏は、『宇宙海賊キャプテンハーロック』『銀河鉄道999』『千年女王』などのヒットマンガで知られるマンガ家だ。今回は数多くの傑作アニメに原作を提供した原作者としての受賞だ。
東京アニメアワードフェスティバル 2017
https://animefestival.jp/ja/
[アニメ功労部門 顕彰者]
■ 音響監督
明田川進
■ 監督
池田宏
■ 作画監督
近藤喜文 (故人)
■ プロデューサー
後藤田純生 (故人)
■ 美術監督
辻忠直
■ アニメーション作家
古川タク
■ 歌手
前川誉公(陽子)
■ 声優
増山江威子
■ 原作者
松本零士
■ 色彩設計
保田道世 (故人)