2016年8月4日に、バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)の2017年3月期決算が発表された。過去2年間、業績好調の同社だが、今期も最初の四半期から好調な結果となった。連結売上高は1447億9200万円(5.4%増)、営業利益は234億1900万円(29.1%増)、229億4800万円(22.2%増)、当期純利益は180億200万円(32.6%増)である。
バンダイナムコHDは、第1四半期の業績を踏まえて上半期の業績見通しを上方修正した。売上高は2750億円から2900億円、営業利益は230億円から320億円、経常利益は235億円から320億円、当期純利益は165億円から240億円といずれも大きく引き上げた。
しかし、通期予想は当初のまま据え置いた。これはヒット作への依存が大きいビジネスモデルのためとしている。期初予想をボトムラインとし、さらにうえの数字を目指す。
■ ゲーム関連は海外比率が急上昇、ゲームアプリは売上が急拡大
全体を牽引したのはゲームコンテンツが中心のネットワークエンターテインメント事業と、アニメの割合が高い映像音楽プロデュース事業である。それぞれ売上高は、913億3400万円(19.0%増)と136億1900万円(18.8%)増。そして営業利益は171億3000万円(64.4%増)と45億8300万円(44.5%増)だった。
ネットワークエンターテインメント事業の中では、ゲームアプリと海外がトピックスだ。ゲームアプリの売上高は前年の120億円から283億円と約2.3倍に拡大している。
またネットワークエンターテインメント事業の海外売上比率は6%から14%と急伸している。海外向けの新作『DARK SOULS III』が、欧米で好調だった。さらに『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』も海外で人気を博した。
映像音楽プロデュース事業は、複数の大型ヒットが業績に貢献している。『ガールズ&パンツァー』が劇場版を中心に映像と音楽の双方で好調であった。「ラブライブ!」シリーズの人気も続いた。さら『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III』もヒット作となった。ガンダムシリーズは、グループ全体でもIP売上高が184億円と、引き続きバンダイナムコHDを支える。
映像・音楽のパッケージ売上高は前年の46億円から55億円と増加、制作・ライセンンス・配信・イベントも68億円から81億円に拡大している。
海外売上高はアメリカが大きく伸びて157億3100万円(37.6%増)、ヨーロッパとアジアはそれぞれ115億5000万円(34.8%減)、106億1900万円(14%減)と弱含んだ。ただし、バンダイナムコHDは、海外売上高は減少しているが、円高により約45億円の影響を受けているためだと説明。実質ベースでは成長しているとする。