『秘密結社鷹の爪』などのアニメ展開でもお馴染みのDLEが、事業の多角化をさらに進める。8月10日、DLEはライブ運営などの株式会社W Mediaの株式を子会社TOKYO GIRLS COLLECTIONを通じて取得したことを明らかにした。株式は代表取締役の村上範義氏が全株を保有しており、DLEはこの全てを3億9500万円で取得する。
TOKYO GIRLS COLLECTIONは、国内有数のファッションイベントである「東京ガールズコレクション」の商標権を管理する。一方、W Mediaは2006年の設立以来、「東京ガールズコレクション」のイベント企画、制作、運営を担ってきた。今回の取得でDLEは商標に加えて、「東京ガールズコレクション」を中心とした全体のビジネスを統括することになる。
W Media は、2016年には売上高27億9500万円、営業利益8600万円、経常利益7300万円だった。また当期純利益は5600万円の損失であった。
一方、DLEは2001年に設立。アニメーション事業に経験が豊富な代表取締役の椎木隆太氏のもと、『秘密結社鷹の爪』や『パンパカパンツ』などのショートアニメシリースを制作、人気を博した。設立当初より自らの事業をIPを中心にしたエンタテインメント事業として、アニメ制作会社とは一線を画していた。現在は、ファスト・エンタテイメントを掲げ、IPの短期間・大量生産との独自のビジネスモデルを築いている。
2014年の東証マザーズ市場上場後は、アニメやキャラクターだけでない実写映画製作や、地域活性化など事業の多角化に取り組んでいる。2016年6月期の連結売上高は30億7900万円(52.5%増)、営業利益は2億4900万円(24.5%減)、経常利益は2億1100万円(37.6%減)、当期純利益は1億4200万円(同35.1%減)である。
W Mediaの獲得も、こうしたDLEの多角化戦略の一環である。ただし、「東京ガールズコレクション」の商標権管理も含めてDLEのこれまでの事業は、IPの活用やブランドビジネスである。ここに既存の事業と売上高で同規模のライブ事業が加わる。DLEがこれをどう運営していくのか、既存事業とのシナジー効果がどう発揮されるのか、今後も大きな関心を集めそうだ。