動画配信などで人気を博すVTuberが、音楽分野でも活躍の場を広げそうだ。IT大手のグリーと音楽会社キングレコードはVTuber特化型の音楽レーベルを立ち上げるとして、共同出資の事業会社「株式会社RK Music(仮)」の設立で合意した。
VTuberは、ネット動画などで架空のキャラクターがパーソナリティーとなったもの。新たなエンタテイメント、キャラクターアイドルとして大きなムーブメントとなっている。
新会社はVTuberへのオリジナル楽曲提供や、音楽アーティストデビューのプロデュースを手掛ける。 VTuberのムーブメントを音楽面でも取りこむが、VTuberのタレント化にも一役買いそうだ。
新会社の資本金は8000万円、グリーが2018年5月に立ち上げたライブエンタテイメント事業の子会社Wright Flyer Live Entertainmentが51%、キングレコードが49%出資する。8月中の設立を目指す。代表取締役社長はWright Flyer Live Entertainmentの水谷誠也氏が務める。
グリーはスマホ向けのコンテンツなどのIT企業。アニメ化が決まっている『消滅都市』、『アナザーエデン』などのゲームコンテンツを保有する。
近年はIT技術を活用した新分野のコンテンツ開発・製作に積極的だ。特にVTuberについては、100億円規模のVTuberファンドプロジェクトを発表している。
Wright Flyer Live Entertainmentもそのひとつ。バーチャルYouTuber特化型の事業として、グローバルで事業展開を目指している。
キングレコードは、1931年の老舗の音楽会社である。なかでもアニメ音楽、声優アーティストは、同社の強みとなっている。長い歴史を持つ一方で、アニメ音楽や声優をいち早く手がけたことで成長した。新分野の取り組みに積極的だ。
新会社の設立も、アニメと声優アーティストの事業部門であるキング・アミューズメント・クリエイティブ本部が中心となって進める。アニメ音楽・声優分野でのノウハウも活かされそうだ。