イマジカ、オムニバス・ジャパン TV番組ポスプロ事業撤退で希望退職実施

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アニメや特撮、VFXでもお馴染みのイマジカグループ、東北新社が、番組制作のポストプロダクション事業の撤退に動いている。両社は相次いで番組制作子会社の希望退職者募集を実施したが、その中心はテレビ番組のポストプロダクション事業だ。
 イマジカグループでは2024年12月26日に、映像事業子会社のIMAGICA Lab.が希望退職者の募集をすると発表した。IMAGICA Lab.が、テレビ番組のポストプロダクション事業から撤退決定したのに伴うものだ。
 IMAGICA Lab.は、映像企画・制作、CG、ポストプロダクション、流通など映像技術サービスの大手。同社によれば、テレビ市場とテレビ番組ポストプロダクション市場は縮小が続いている。加えて業界ではフリーランス化の進行により、参入障壁が低下している。この結果、事業の稼働率が低下して売上高の減少と利益の低迷が続いていた。業績回復は困難として、事業撤退と希望退職者募集を決定した。

 募集対象者はテレビ番組ポストプロダクション事業の従業員と管理部門の一部、100名から150名程度としている。IMAGICA Lab.の従業員の2割から3割に相当する。
 退職者数が未確定のため金額は明らかに出来ないが、事業撤退と希望退職者への特別加算金などで特別損失を計上する予定だ。また撤退にあたっては事業譲渡も視野に入れている。

 映像関連事業の大手では、東北新社の制作子会社オムニバス・ジャパンでもテレビ番組ポストプロダクション部門の事業撤退と希望退職者募集を実施している。こちらは9月27日に募集開始をしており、60歳以上の再雇用社員と間接部門の社員も含めて、同事業部門から対象者76名が決定した。こちらも従業員の2割から3割にあたる。東北新社は約13億円の特別損失を計上する見込みだ。
 東北新社も事業撤退の理由は、ポストプロダクション事業の収益の減少だ。業界ではテレビ番組制作費とポストプロダクション費の縮小が続いており、事業業績の改善は困難と判断した。現在ある新橋と渋谷の拠点から撤退し、オムニバス・ジャパンはCGとVFXを中心としたデジタルプロダクションに集中する。
 東北新社は過去一年間で、事業構造改革や再編を急ピッチで進めている。今回は不採算事業からの撤退の一環となったとみられる。

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