東映アニメーションは2023年1月30日に、23年3月期第3四半期の決算を発表した。劇場アニメの大ヒットが相次いでいることから、業績が急伸している。連結売上高は650億6400万円と前年同期の53%増、営業利益が218億500万円(52.1%増)、経常利益は227億9600万円(57.4%増)、純利益は165億200万円(64.2%増)と利益面での伸びも大きい。
第3四半期までに業績予想に対する売上高の進捗率は85%、各利益は90%を超えている。また大ヒットになっている『THE FIRST SLAM DUNK』の影響は第4四半期まで続くとみられるが、東映アニメーションは通期業績予想を据え置いた。為替動向や海外での上映権販売の計上時期に不確定要因あるとしているが、今後業績予想に対する上振れの可能性は高そうだ。
事業別では、映像製作・販売事業部の伸びが大きかった。売上高は292億7700万円(80.0%増)、営業利益は85億3400万円(72.6%増)の増収増益だ。
特に『THE FIRST SLAM DUNK』と『ONE PIECE FILM RED』が快進撃を続ける劇場アニメは59億1900万円と前年同期の18倍を超える。海外映像も配信権販売が引き続き好調で円安効果もあったことに加えて、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』、『ONE PIECE FILM RED』、『THE FIRST SLAM DUNK』の海外上映権販売が大きく伸びた。ただし、放送作品が減少したテレビアニメ、DVDとブルーレイが伸び悩んだコンテンツは小幅減少となった。
版権事業は国内、国外との増収だ。国内は劇場映画と連動した商品化権、ゲーム化権が好調。海外は、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」のゲーム化権販売、「デジモンアドベンチャー」シリーズや「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売が好調だった。
国内版権は119億5000万円で36.4%増、海外版権は193億300万円で25%増。版権事業全体では売上高312億5400万円(29.1%増)、営業利益は157億1100万円(29.6%増)と増収増益だった。