映画会社STORY inc.がタテ読みマンガを企画、全60話のSFサスペンス

『レッドピルブルーゲイザー』

 スマホで読む手軽さから成長を続けるタテ読みマンガ分野に、注目の映像会社が参入する。映画『すずめの戸締まり』や『天気の子』などの企画・製作で知られるSTORY inc.が企画、DMMグループのデジタルマンガ出版社CLLENNが制作する新作タテ読みマンガがリリースされた。
 作品のタイトルは『レッドピルブルーゲイザー』、底辺女子の主人公が、不思議な錠剤を手に入れたことで現代社会の闇を暴いていくことになるSFサスペンスだ。張り巡らされた伏線と刺激的なストーリーが見どころだという。

 原作はSTORY inc.に加えて、実写ドラマ『今際の国のアリス』や映画『億男』の脚本などの渡部辰城が担当する。2023年12月30日より「ピッコマ」にて独占先行配信している。
 STORY inc.と手を組むCLLENNは、2023年9月にDMMグループでマンガ事業を手がけるコミックストック、フューチャーコミックス、GIGATOON Studioが事業統合し誕生した出版社だ。作品総数は5,000を超え、グループのデジタル出版の旗艦企業になる。『レッドピルブルーゲイザー』は、同社の目玉タイトルにもなりそうだ。

 STORY inc. は2017年に東宝出身の古澤佳寛氏、川村元気氏ら設立した映画やドラマの企画・製作会社だ。新海誠作品のほか、山田尚子監督の『きみの色』、長井龍雪の 『ふれる。』などがある。東宝配給作品だけでなく、ワーナー・ブラザース配給の『バブル』など事業領域が広っている。タテ読みマンガも、そうしたなかでの新展開となる。
 代表取締役の古澤佳寛氏は、『レッドピルブルーゲイザー』は現在のタテ読みマンガ市場の流行ジャンルとは少し違うが純粋なストーリーとしての面白さを起点にしたとする。
 タテ読みマンガが盛んな韓国では、実写映画やドラマの原作の題材をここから企画・開発することが多い。STORY inc.も映像製作会社だけに、『レッドピルブルーゲイザー』の今後の映像化も視野にいれている可能性がありそうだ。エンタメの新鋭企業の試みは、多くの関心を集めるに違いない。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る