タテ読みマンガ企画・制作の有力企業ソラジマが、制作強化に向けてグローバルな体制づくりに乗り出している。ソラジマは2024年10月9日、インドネシアで実施した記者会見にて、同国のマンガ制作スタジオであるKisai Entertainmentとの資本業務提携契約締結を発表した。
ソラジマはKisai Entertainmentに1億円を出資し、Kisai Entertainmentは調達した資金で体制を拡大する。そのうえでソラジマとのマンガ制作での協力を強化する。今回ソラジマは「ファーストルック契約」も結んだ。これによりKisai Entertainmentに所属するクリエイターを優先的に指名することが可能になる。優秀なクリエイターが参加する企画を魅力的な作品を生み出すことで、競争の激しいタテ読みマンガで差別化を目指す。
ソラジマは2019年に設立されたベンチャー企業で、Webtoonとも呼ばれるスマホ向けのタテ読みマンガ市場の可能性に早くから目を向けたことで急成長している。タテ読みマンガ市場は海外資本も含めて多くの企業が進出し競争が激しいが、ソラジマは有力企業の一角を占めている。
オリジナル作品を得意として、現在、90作品以上を配信、海外展開にも積極的だ。2023年にはLINEヤフー系のZ Venture Capitalをはじめ国内の大手ベンチャーキャピタルを中心に10億円の出資も受けている。今回のKisai Entertainmentへの出資は、そうしたなかで実現したグローバルなビジネス戦略になる。
Kisai Entertainmentは、Kisai EntertainmentはWebtoon制作でインドネシアを代表する大手。東南アジアを中心に400人以上のクリエイターを抱える。これまでもソラジマとは線画や着彩、背景、仕上げ工程で取引があったが、資本業務提携を軸にビジネス関係はより強くなるだろう。
国内ではクリエイター確保の競争が激しいが、ソラジマはもうひとつオプションを持つことで市場での優位性も高まる。コンテンツ創出のグローバル化が進む中での、今後の成果が注目される。
ソラジマ https://sorajima.jp