イーブック 中国の電子書籍ビジネスから撤退、上海の現地法人解散

ファイナンス決算

2016年12月9日、電子書籍配信プラットフォームのイーブックイニシアティブジャパンは、中国上海に設けた上海漫客网络科技有限公司(Century eBook Shanghai Co., Ltd.)を解散、清算すると発表した。上海漫客网络科技は、中国での電子マンガを中心とした配信事業を目的に2015年2月に上海故事会文化伝媒有限公司と共同で設立した。
資本金は300万元(約5000万円)、イーブック56%、国営出版社・上海世紀出版集団のグループ会社・上海故事会文化が34%、そしてイーブックの関係会社で中国向けのプロモーション事業を得意とするFind Japanが10%を出資する。イーブックは事業清算で2300万円の減損損失を計上する。

イーブックは設立当初、現地での配信プラットフォームの構築を目指していた。しかし、中国のデジタルコンテンツのネット配信に関する規制強化の影響で事業展開の見通しがたてづらくなったとしている。
中国ではコンテンツ配信事業が出来るのは、中国企業に限定されている。2016年2月に、規制強化により、それまで認められていた海外企業との合弁事業による配信も認可されないことが政府より発表された。

イーブックイニシアティブジャパンは、電子書籍配信プラットフォームの国内有力企業、とりわけマンガタイトルの充実が特徴になっている。2000年に創立の老舗で2016年1月期には連結売上高が71億8400万円だった。しかし、同期は赤字転落となり、今年6月にポータルサイト事業大手ヤフーによる44.6%の出資を受け、同社の連結子会社となった。これに伴う、事業再編の一環ともいえるだろう。

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