2018年6月11日からフランスで開催されていたアヌシー国際アニメーション映画祭が17日に大盛況の中で閉幕した。最終日には、映画祭のメイン会場である「ボリュ・グラン・サレ」にて、授賞式、クロージングセレモニーが開催された。
注目されるグランプリ(クリスタル賞)では、短編部門でNienke Deutz監督の『Bloeistraat 11』(ベルギー/オランダ共同制作)、長編部門はDenis Do監督の『Funan』が選ばれた。『Funan』は、カンボジアのクメール・ルージュ政権を生き抜いた家族の物語を描き作品で、当初から大きな関心を集めていた。ベルギー、カンボジア、フランス、ルクセンブルクの共同製作である。
日本からはテレビ部門(TV Production )に、エリック・オー監督の『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』がクリスタル賞に輝いた。登壇したエリック監督は会場からの暖かい拍手に応えた。
『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』は、ピクサー出身の堤大介氏とロバート・コンドウ氏が2014年に設立した新興スタジオのトンコハウスがアニメーション制作をしている。ふたりの短編をもとに、エリック監督のもと日本のHulu(HJホールディングス)の出資でシリーズ化した。
Hulu(Japan)で独占配信された後に、NHKでもテレビ放送されている。テレビ部門ではあるが、もともとは配信オリジナルというのが今日的でもある。
クロージングセレモニーの最後には、2019年の開催日程が発表された。6月10日から15日までの一週間、再びアニメーション映画がアヌシーをで彩る。
また合わせて、ゲスト国(Country of honors)に日本を決定したことも明かされた。発表同時に会場の正面スクリーンには日章旗をモチーフにしたビジュアルが公開された。
ゲスト国は映画祭が毎年1ヵ国をフォーカスし、集中的に作品をとりあげ、その国のアニメーション文化を紹介するものだ。今年はアニメーションの新興国として存在感を増しているブラジル、昨年は中国が選ばれている。
2019年は「日本アニメーション特集」として、日本カルチャーとアニメーションの傑作をテーマに企画・イベントを用意する。近年、日本からの作品、企画、参加者も大きく伸びているアヌシーだが、2019年はさらに大きな注目を浴びることになりそうだ。