バンダイナムコフィルムワークスは、2023年9月1日にマンガ投稿プラットフォームの運営や縦スクロールマンガの制作のエコーズを完全子会社化すると発表した。バンダイナムコフィルムワークスはこれまでもエコーズに出資しており、今回は同社がエコーズの残りの株式を追加取得した。
株式譲渡は8月31日付で完了し、完全子会社とした。また9月1日付でバンダイナムコフィルムワークス常務取締役の佐々木新氏が新たに代表取締役社長に就任した。これまで代表であった塩谷寛氏と芹田治氏は取締役として、引き続き経営に携わる。
エコーズは2012年に、クリエイションとマーケティングを融合させたIPプロデュースカンパニーを掲げて設立された。2013年にスタートしたマンガ投稿サイト「マンガハック」が成功し、オリジナルマンガの投稿数で日本最大規模になっている。
2019年にバンダイナムコグループが実施したスタートアップ企業のビジネスプランコンテスト「バンダイナムコアクセラレーター」に参加し、最終6社に選ばれている。2019年にバンダイナムコグループのアニメ企画・制作会社サンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)が資本参加、2021年に追加出資をしている。さらに今回の完全子会社化と協力関係が拡大していった。
これと並行してエコーズは、2022年10月より縦スクロールマンガの編集・制作に本格進出し、新しいマンガビジネスへの進出を強めている。
バンダイナムコフィルムワークスは玩具、ゲーム、アニメなど日本代表するエンタテイメント企業だが、出版・マンガ分野の事業は強くない。玩具、ゲーム、アニメの作品・商品開発も他社出版社会社の作品に基づくものが多い。
そうしたなかでクリエイターとオリジナル作品を多く抱えるエコーズが、現在の事業を補完するものとして魅力のある会社に映ったとみていいだろう。さらにベンチャー企業ならの柔軟さとスピード感が期待出来る。マンガ出版は歴史のある大手出版社の占有率が高いが、新分野のウェブや縦スクロールマンガであれば、ビジネスチャンスも大きい。あとは巨大企業の子会社となったエコーズが、期待される機動性をどこまで発揮できるかが鍵になる。
エコーズ https://www.echoes.co.jp/
マンガハック https://mangahack.com/