アニメ4600作品も、月額550円で見放題の動画配信「DMM TV」スタート

DMM TV

 合同会社DMM.comは、2022年12月1日から定額課金で見放題になる新たな動画配信サービス「DMM TV」を開始した。豊富なタイトルと手頃な価格が特徴で、とりわけ力を入れるアニメは国内トップクラスの約4600作品を用意する。
 こちらも新しく始まる各種エンタメサービスを楽しめる「DMMプレミアム」に月額550円(税込)で加入することで、「DMM TV」の見放題も利用できる。コンテンツ盛り沢山のサービスだ。

 「DMM TV」の売りはラインナップの充実だ。スタート段階ではアニメ、声優の活躍するバラエティ番組、2.5次元舞台・ミュージカルがラインナップに揃う。熱度とロイヤリティが高く、ウェブ・スマホツールに長けたアニメや声優、2.5次元ファンなどを重視しているようだ。さらに今後はバラエティやドラマ、映画などにもジャンルを広げていく予定で、幅広いユーザーの獲得を目指す。
 サービススタートにあたっては、目玉作品も用意されている。ルパン三世の少年時代を描く『LUPIN ZERO』は、DMM TV オリジナルアニメとなる。見放題でDMM TVの独占配信だ。2023年1月からは『冰剣の魔術師が世界を統べる』、『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』といった新作を先行配信する。
 テレビバラエティのプロデューサーとして活躍してきた佐久間宣行、藤井健太郎らを起用し、オリジナル バラエティ番組を開発している。
また人気声優が活躍する『下下紘輝』もDMM TVのオリジナル バラエティだ。声優の下野紘と山下大輝が都内で体験出来る話題の癒しスポットを巡っていく。『自称声優』は、杉田智和と岡本信彦が出演。2⼈が企画会議を⾏い、今まで体験したことのない事を実践。
 さらに女優の内田理央と生駒里奈が登場する『ウチコマ』はマンガ総合バラエティと銘打ってふたりがマンガの魅力を探求する。これらはいずれも無料配信だ。

 DMMは現在、マンガ、アニメ、映画、舞台演劇やグッズなど幅広いジャンルで横展開をする作品が数多いと指摘する。一方でファンが作品を楽しむためのプラットフォームは、作品のフォーマットによって分散している。
 「DMMプレミアム」は、この幅広いエンタテインメントをシームレスにつなぐものだ。「DMM TV」を利用したアニメ視聴のほか、マンガ、ゲーム、さらにグッズの購入などがひとつIDでスムーズに利用できる。
 たとえば「DMM TV」アプリ内のブックタブから電子書籍サービスの「DMMブックス」の作品を読むことができたり、関連グッズを買うことも可能になる。複数のサービスを統合的に利用できる。DMMでは2年間で200万人のDMMプレミアム会員の獲得と、DMM.comのプラットフォーム全体で3000億円の売上げを目指す。

 動画配信サービス市場は急成長していることから、国内では定額課金見放題の配信サービスは参入が相次できた。現在は国内・海外資本を含めて有力サービスだけで20以上もが群雄割拠する、そうしたなかで新たな参入はチャレンジングにも見える。
 一方でこれまでのサービスとの差別化も工夫されている。ひとつが「DMMプレミアム」の電子書籍やショッピングなどの横展開でのサービス連携である。これは動画配信単体で完結するNetflixやディズニープラスとは大きく異なる。Amazon プライムのシステムに近く見える。他社サービスよりも低い価格設定も価格の低いAmazon プライムを意識してそうだ。さらに低価格の設定には、様々なサービスの利用を促すことでDMM.com全体での収益化が念頭にあると見て取れる。

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