円谷フィールズホールディングスの2024年3月期の業績が、好調なスタートを見せた。2023年8月10日に発表された第一四半期決算は、売上高、利益とも前年同期比で急伸している。
連結売上高303億円3500万円は前年同期の3.68倍にもなり、営業利益は20億2500万円(10.85倍)、経常利益は21億8500万円(7.5倍)、当期純損失は13億8400万円と黒字に浮上した。遊技機関連のPS事業が大きく売上げを伸ばしたほか、コンテンツ&デジタル事業も増収基調だ。
コンテンツ&デジタル事業の売上高は31億3100万円(7.6%増)、前年にあった『シン・ウルトラマン』の収益の反動をこなし増収を維持した。しかし営業利益は7億8500万円(24.4%減)と減少している。
引き続きウルトラマンを中心と商品ライセンスの売上げが伸びている。また3月公開の『グリッドマン ユニバース』のライセンス収入も好調だったとしている。期間中の国内ライセンス収入は5億4100万円で9.4%増だ。
海外は引き続き中国事業への依存が大きい。海外ライセンス収入9億5200万円のうち8億5700万円は中国からでそれぞれ11.5%増、15.7%増。上海のテーマパー導入や玩具など幅広い展開をしている。第2四半期以降に大連、成都でのパークの収益を計上予定、さらに来年度中に10ヶ所まで増やす予定だ。
ウルトラマンの海外展開は今後も進む。2023年7月に国内でスタートした新番組『ウルトラマンブレーザー』は、中国とASEAN各国で現地語吹替えによる同時配信をしている。関連商品も国内外同時展開である。
さらにASEAN向けの商品を開発、シンガポールには現地法人を開設する予定だ。同地域でもテーマパークでのウルトラマンエリア開設の検討も進める。
また米国では5月にロサンゼルスに現地法人を設立した。2024年に世界配信をする新作CGアニメシリーズが北米市場開発の鍵になりそうだ。
PS事業は前年同期に、パチンコ・パチスロの大きなヒットがなかった反動が大きかった。今期は『P コードギアス 反逆のルルーシュ Rebellion to Re;surrection』が2万台、『L ベルセルク無双』が1万4000台の販売となり、『新世紀エヴァンゲリオン ~未来への咆哮~』の再販売も貢献した。
販売台数の前年同期の1万1300台から6万300台と大きく伸びた。事業売上は269億7400万円(455.3%増)、営業利益は18億8200万円だった。