国内最大の広告代理店・電通グループが、アニメビジネスの新会社電通アニメソリューションズを2023年7月3日付で設立する。国内外へのライセンス業務、制作プロデュース業務、ビジネスソリューション提供などをするとしている。具体的には国内外の放送事業者や配信事業者へのアニメ作品販売、商品化権の版権業務が中心となりそうだ。
資本金は5000万円で電通グループが全額出資する。東京・汐留の電通本社ビルに本社を置く。また代表取締役社長には、コンテンツビジネス・デザイン・センター アニメプロデュース1部 ゼネラル・マネージャーである松本整氏が就任する。24年1月には約30名の体制を整える予定だ。電通はこれまでも幅広く、アニメビジネスに関わってきたが「アニメ」を冠した本格的法人設立は初になる。
近年はパッケージメーカーや放送局、映画会社が事業を多角化することでアニメビジネスを拡大することが増えている。また有力アニメーション制作会社もライセンス事業に自ら進出するケースが多くなっている。このためアニメビジネスの市場は急成長して広がっているが、業界内の競争も激しい。
こうしたなかで電通は、自社の得意とするグローバル展開を軸にアニメ事業強化を目指す。総合力を打ち出すことで、アニメビジネスの成長の波に乗ることが目指すことになる。
実際にそうした成果はすでに表れている。今年1月には、アニメとマンガ領域の統合的なソリューションを開発・提供するとして、社内横断組織「Manga Anime Growth Partners」を発足させたばかりだ。
こうしたサービスは国内企業だけでなく、海外拠点の顧客企業からもニーズが増している。アニメを活用したソリューション提供する同部門の売上総利益は直近2年間で約2倍となったという。新会社を設立で、アニメ事業の成長を加速させるとする。
また電通は2018年には、国内有力スタジオと連携するグループ横断組織「Dentsu Japanimation Studio」(電通ジャパニメーションスタジオ)も設立している。世界的に成長するアニメーション市場の取り込みに積極的だ。