TBSが配信大手U-NEXTの株式20%を取得、持分適用会社に

提携

 大手テレビ局の映像配信プラットフォーム事業の拡大と戦略の新たな方向性が見え始めてきた。2023年6月29日、TBSホールディングス(TBS-HD)が大きな発表をし、この分野の主要プレイヤーのひとつとして存在感を発揮した。
 TBS-HDはUSEN-NEXT HOLDINGS(USEN-NEXT HD)の子会社で映像配信プラットフォームを運営する「U-NEXT」の発行済み株式20%を242億円で取得すると発表した。U-NEXTが第三者割当で新たに株式を発行、これを引き受ける。さらに同社を持分法適用関連会社とする。
 U-NEXTの主要株主では、親会社のUSEN-NEXT HD(79.64%)に続く第2位になる。さらにTBS-HDは議決権比率を今後10%増加させることが出来るオプションを保有する。
 U-NEXTは調達した資金で、「アジアドラマ」、「スポーツ」、「ライブ配信」などのコンテンツを拡充する。またM&Aといった成長投資も視野に入れる。

 この資本提携を通じてTBSとUSEN-NEXTの両社は、コンテンツ分野、プロモーション分野、クリエイティブ・開発分野で協力する。TBSはU-NEXT が配信するコンテンツやその関連プロジェクトを共同で企画制作する。またU-NEXT のサービスのプロモーションを行う。さらに新規事業の開発も視野に入れる。
 両社の提携は今年2月に発表していたUSEN-NEXT HDによるプレミアム・プラットフォーム・ジャパンの完全子会社化とUSEN-NEXTと同社の経営統合を受けてのものだ。プレミアム・プラットフォーム・ジャパンは映像配信プラットフォーム「Paravi」を運営している。TBSはプレミアム・プラットフォーム・ジャパンの主要株主だった。
 U-NEXTとParaviの経営統合で、新会社の2023年度課金ユーザーは380万人と国内資本系では最大規模となる。さらに今後は2025年度に450万人、2029年に600万人超、売上高1500億円、営業利益150億円超を目指す。SVODサービスでの国内トップを狙う。

 国内映像配信プラットフォーム事業では、放送コンテンツに強みを持つ放送局の動きが活発だ。日本テレビが大手プラットフォームのHuluを子会社にするほか、テレビ朝日も2020年にKDDIのプラットフォームを共同出資で取り込んだ「TELASA」を運営する。テレビ朝日はAbemaTVにも出資しており、この分野の主要プレイヤーだ。TBSもU-NEXTへの出資で、この分野で巻き返しを図ることになる。

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