国内大手アニメ企業の東映アニメーションが、韓国の人気コンテンツを起点にグローバルな作品開発を進める。東映アニメーションは韓国のネイバーウェブトゥーングループのコンテンツスタジオStudio Nとウェブトゥーンの人気タイトル『高手』のアニメ企画を共同開発すると発表した。両社のノウハウを組み合わせることで、世界市場を狙ったヒット作創出を目指すとしている。
2023年4月14日には、韓国・ソウル近郊のネイバーウェブトゥーン本社にて、『高手』のアニメ共同開発の業務協約締結式を執り行なった。東映アニメーションからは執行役員エグゼクティブプロデューサーの鷲尾天氏、StudioNからは代表取締役社長の權娓慶氏が参加。そして原作者である文情厚氏も姿を見せた。
近年、ウェブトゥーンと呼ばれる韓国発の作品がグローバルで注目を集めている。スマホでの閲覧に最適化し、縦スクロールで閲覧できることが特徴だ。日本ではタテ読みマンガと呼ばれることも多い。
『高手』はその中でもとりわけ大ヒット作として知られている。韓国の人気武侠マンガ『龍飛不敗』の続編として2015年からネイバーウェブトゥーンにて連載開始したところ瞬く間に人気を獲得した。現在は日本語、英語、中国語にも翻訳され、累積閲覧数14億回を超えるという。
StudioNは韓国ウェブトゥーンの映像開発を手がけている。『Sweet home-僕と世界の絶望-』、『ユミの細胞たち』といったドラマ製作で実績がある。日本原作の『スマートフォンを落としただけなのに』のドラマ製作も発表している。
逆に今回は、待望の『高手』映像化のパートナーとして日本のアニメ企業を選んだ。東映アニメーションの持つ制作力とグローバルなネットワークを評価したとも言える。
東映アニメーションにとっては、近年進める国際展開を推進するプロジェクトのひとつとなる。日本のコンテンツだけでなく、グローバルで価値のある作品を積極的に取り込み新しいアニメビジネスを目指すことになる。