新潟で「アニメーションと女性」と「世界の長編」、映画祭国際審査員参加の2つのトーク

新潟国際アニメーション映画祭

 2023年3月17日から22日までの6日間、新潟市内を中心に第1回新潟国際アニメーション映画祭が開催される。グローバルの長編アニメーションにコンペティション部門を、上映には日本のエンタメ作品も多く取りいれる。世界に向けて、アニメーションの新たなかたちを提示する意欲的なものだ。
 国際性はコンペティション部門の審査員の構成にも表れている。3人いる審査員は、日本の映画監督である押井守氏のほかは、いずれも海外からだ。海外からの視点をコンペに反映させる。

 ひとりは国際的に活躍するプロデューサー/コンサルタントのジンコ・ゴトウ氏。ピクサーアニメーションで『ファインディング・ニモ』の共同プロデューサーから始まり、インディーズシーンで話題になった『9』や大作『リトルプリンス 星の王子さまと私』、『レゴムービー2』やNetflixオリジナル長編として話題を呼んだ『クロース』など数々の話題作をプロデュースしてきた。
 もうひとりは米国の製作・配給会社GKIDSの社長であるデヴィット・ジェステット氏。GKIDSは世界中から良質の長編アニメーションを集め、長年北米で紹介してきた。スタジオジブリと宮崎駿監督の全作品、新海誠監督のほとんどの作品を北米で配給していることで日本の関係者にはお馴染みだ。3人の審査員の選考により、最終日にはグランプリなど各賞が発表される。

 映画祭期間中には、ふたりの国際審査員の知見を得る機会も予定されている。各氏が参加するトークイベントが実施される。
 18日10時~クロスパル新潟で実施する「アニメーションと女性」は、ジンコ・ゴトウ氏のほか、アニメーション作家の矢野ほなみ氏、研究家で横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授の須川亜紀子氏が参加する。
ゴトウ氏は国際団体「Women in Animation」のヴァイス・プレジデントも務めており、アニメーション界における女性の権利向上にも尽力してきた。世界、そして日本のアニメーションにおける女性の立場を考える。またインディーズの作品や作家との関わりにも話題を広げていく予定だ。

 19日11時40分からは同じ会場で「世界の長編アニメーション」がある。ジェステット氏と土居伸彰氏の対談となる。土居氏は、ひろしまアニメーションシーズンのプロデューサーでインディーズの製作・配給をするニューディアー代表も務める。トークの前後にはニューディアーの推す作品上映もあり、合せて鑑賞するのもお薦めだ。
 こちらは映画祭のテーマでもある長編アニメーションの動向について、世界の最前線で活躍する2人のトークとなる。グローバルの今を知りたい人に最適だ。

新潟国際アニメーション映画祭 https://niigata-iaff.net/

「アニメーションと女性」
https://niigata-iaff.net/programs/animation-and-women/
日時:3.18(Sat) 10:00-11:45
会場:クロスパル新潟
ジンコ・ゴトウ(Jinko Gotoh)(プロデューサー/コンサルタント)
須川亜紀子(横浜国立大学都市イノベーション研究院教授/日本アニメーション学会会長)
矢野ほなみ (アニメーション作家)

「世界の長編アニメーション」
https://niigata-iaff.net/programs/world-feature-animation/
日時:3.19(Sun) 11:40-13:10
会場:クロスパル新潟
デヴィッド・ジェステット(David Jesteadt) (GKIDS社長)
土居伸彰(株式会社ニューディアー代表、ひろしまアニメーションシーズン プロデューサー)

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