日本では2022年11月11日に全国公開され大ヒット上映中の『すずめの戸締まり』が、この3月から海外公開を順次開始している。3月24日からはなかでも注目度の高い中国での上映がスタートし、期待どおりの大ヒットになっている。
公開初日の24日は平日の金曜日であるにも関わらず、順調に動員を積み上げた。この日は最終的に約9500万元(約18億円)超にまで達し、2位以下を大きく引き離した。週末の土曜日、日曜日にはさらに動員を伸ばし、週末興行収入は数億元規模になりそうだ。週末興行1位はほぼ確実とみられる。
初日の数字は2016年公開で同じ新海誠監督の『君の名は。』の約7600万元を超える。今後は日本映画として中国最大のヒットになった『君の名は。』の最終5.7億元に『すずめの戸締まり』がどこまで迫り、さらに新たな日本映画記録が生まれるかが焦点だ。
日本映画はコロナ禍もあり、ここ数年は中国公開の本数も減少し、興行も力が欠けていた。『すずめの戸締まり』が、これを反転させるのかにも注目が集まる。その結果は、4月20日の中国公開決定が話題を呼んでいるさらにその先の『THE FIRST SLAM DUNK』につながるだろう。
大ヒットの理由は、中国でも人気になった『君の名は。』、『天気の子』の新海誠監督の最新作と注目の高かったことにある。当初から大型作品としてプロモーションに力をいれていた。前売りだけで売上は8000万元を超えている。
加えて公開直前にベルリン国際映画祭でオフィシャルコンペティションに選ばれたことで話題が増した。さらに公開に合わせて新海誠監督自身が北京や上海を訪れたことで、メディアの露出が増えている。こうしたリーリスのスケジュールの組み立てが効果を発揮している。
『すずめの戸締まり』は、すでに韓国、台湾、香港、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポールなどアジア各国で公開されているが、いずれも週末興行ランキングで1位を獲得した。今後は4月12日から13日にかけて一斉に公開する北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカの動向が注目だ。