『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督、『九十九』で米国アカデミー賞短編アニメーションにもノミネートされた森田修平監督。そんな日本を代表するアニメ監督が大掛かりな国際共同制作に参加した。その一端が2023年3月17日に開幕する第1回新潟国際アニメーション映画祭で姿を見せる。
新潟国際アニメーション映画祭は長編映画・オムニバスを中心におよそ50本の作品が上映されるイベントのオープニングとして、渡辺信一郎監督の『A Girl meets A Boy and A Robot』と森田修平監督の『弦の舞』を国内初上映すると発表した。また上映にあたっては、両監督が新潟を訪れて作品について語る。国際映画祭に相応しい豪華なスタートなる。
両監督が参加するのは、『太素(TAISU)』と名付けられた大型プロジェクトだ。「太素」とは“万物の根本にある時間と空間を超えることができる宇宙元素”のこと。この太素に導かれて、ひとりの少女が時間と空間を旅しながらそれぞれの物語を目撃するというコンセプトが立てられた。
作品は4つのエピソードから構成され、渡辺信一郎監督と森田修平監督はそれぞれ一編を担当する。さらに残りふたつは中国で興行収入16億元(約310億円)の大ヒットなった『姜子牙』の監督で一躍注目を集める李炜、世界のVFXの最高峰として知られるニュージーランドのWETA代表リチャード・テイラーと中国の新進・翁銘が監督を務める。
『A Girl meets A Boy and A Robot』のアニメーション制作はMAPPA、『弦の舞』はYAMATOWORKSが担当する。いずれも注目スタジオだけにここも見どころになりそうだ。
4つのエピソードは同じコンセプトに基づきながら、それぞれ独立した物語としても楽しめる。今回の上映は日本で制作された2本だけだが、全て完成した暁にはそれぞれの個性が発揮された競演になるに違いない。
日本、中国、ニュージーランドと太平洋地域の国々が協力して取り組むプロジェクトはアニメがグローバルに広がったいまだからこそと言える。『太素(TAISU)』は2023年ならの最先端のクリエイティブである。
映画の上映は映画祭初日の3月17日(金)。17時半からアニメーションのスタッフを顕彰する大川=蕗谷賞の授賞式があり、続いて『A Girl meets A Boy and A Robot』と『弦の舞』を続けて上映する。上映後には渡辺信一郎監督と森田修平監督が登壇し、作品について語る予定だ。
チケットは映画祭公式サイト、3月15日から市内に設置される映画祭のプレイガイドで購入可能だ。
新潟国際アニメーション映画祭 https://niigata-iaff.net/