サウジ系ファンド 任天堂と東映の株式を買い増し

ファイナンス決算

 サウジアラビア政府系投資ファンドのパブリック・インベストメント・ファンドが、日本の映画・ゲーム企業への関心を強めている。同ファンドが財務局に提出した株式大量保有報告書によれば、パブリック・インベストメント・ファンドは、任天堂の株式を買い増しし、2023年2月13日現在で1億723万株、発行済株式の8.26%を保有していることが分かった。
 また3月3日には東映の株式買い増しも明らかにした。こちらは保有株数89万1300株で発行済株式の6.03%にあたる。それぞれ保有株式の時価総額は、約5500億円と約150億円になる。

 パブリック・インベストメント・ファンドは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの出資でも大きな注目を浴びた世界有数の投資ファンド。任天堂はかなり大規模な投資ではあるが、運用資産が80兆円以上のファンドにとっては、そのごく一部だ。
 保有割合は高いが、経営権の掌握と言うよりも純投資とみられる。ファンドは22年春にはコーエーテクモホールディングスやカプコンでも5%を超える株式保有を報告している。直近では東京で上場するネクソンの株式も9.14%まで買い増した。
 また日本以外では、アクティビジョン・ブリザードやEA、テイクツー・インタラクティブへの投資でも知られている。ゲーム分野への関心が高いようだ。これはサウジアラビアがエンタテインメント産業の振興に力を入れていることとも関係あるかもしれない。

 一方で注目されるのは、東映への投資だ。6.03%の株式保有はテレビ朝日ホールディングス、TBSテレビ、バンダイナムコホールディングスに次ぐ大株主となるが、それでも時価総額2000億円台の東映はパブリック・インベストメント・ファンドにとっては小型株投資とも言える。さらに映像事業会社への投資は、これまでと異なった新たな流れに映る。
 逆にパブリック・インベストメント・ファンドは、それだけ東映の事業成長を期待しているとも言える。さらに東映の連結子会社である東映アニメーションの好調な業績を視野にいれている可能性も高そうだ。

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