ビリビリ通期決算、モバイルゲーム伸び悩み増収赤字も株価は反転基調 

ファイナンス決算

 日本アニメ配信でもお馴染みの中国のポップカルチャー企業ビリビリ(Bilibili Inc.)は、2023年3月2日に2022年12月期通期決算を発表した。売上高は218億9000万元(32億ドル/約4300億円)と前年の193億8000万元より13%伸びたが、引き続き通期の赤字からは脱することが出来ていない。
 営業損失は83億5000万元(約1600億円)と前年の64億2000万元より拡大、また当期純損失は74億元(約1400億円)とこちらも前年の67億1000万元より大きく拡大している。2018年のナスダック上場より継続して赤字が続いており、赤字幅も拡大傾向だ。
 それでも22年前半までの急ピッチな赤字拡大基調が弱まってきたこと、アクティブユーザーが拡大していることもあり、株価は反転しつつある。2021年に157ドルの高値をつけた株価は22年秋には10ドル割れも経験したが、その後は徐々に株価を戻し20ドル台を推移している。

 一方で事業全体の収益構造は大きく変りつつある。これまでの中心であったモバイルゲームの2022年の売上は50億900万元と2021年の50億2000万元から1%減少した。
 その反面ビリビリが(VAS)と呼ぶ動画配信の付加価値サービスは前年の69億3000万元から87億1000万元に急伸している。VASには定額課金やライブ配信の際の課金が含まれる。無料配信の際の広告収入も45億2000万元から12%増の50億6000万元に増加してはいるが、配信事業の中心は有料課金に移りつつある。
 さらにEコマース関連他の売上げは前年比9%増の30億9000万元。こちらはEスポーツ関連の収入が伸びに貢献した。

 ビリビリの課題は順調なユーザー数の伸びが利益の拡大につながっていないことにある。売上高は5年前の4倍以上と急拡大しているが、利益面では確認できる2015年12月期から一貫して赤字だ。22年では当期純損失が売上の3割程度もの規模にもなっている。
 事業拡大のための先行投資を続けている面はあるが、株主にとってはそろそろ黒字化の見通しを求める時期だろう。2022年後半より取り組みつつあるコスト管理の正否が今後のビリビリの成長の鍵を握ることになりそうだ。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. MIFA東京都ブース2023
     東京都がこの10月、11月に、アニメーション分野で海外進出を目指す企業や個人事業主に向けた連続セミ…
  2. 新潟国際アニメーション映画祭
     2023年3月に第1回が実施され好評を博した「新潟国際アニメーション映画祭」の第2回開催が、このほ…
  3.  日本のアニメが国内外で人気を博する一方で、アニメーション制作の現場の疲弊が進んでいる。慢性的な人材…
ページ上部へ戻る