ワンピース、ドラゴンボールが大ヒット 東映アニメが業績予想上方修正 年間売上760億円

ファイナンス決算

 大手アニメ企業の東映アニメーションの業績が、劇場映画の大ヒットに牽引され大きく上振れしている。2022年10月21日に同社は、第2四半期と通期の連結決算業績予想を上方修正した。
 連結売上高は第2四半期が367億円から424億円に、通期が700億円から760億円に引き上げられた。
 さらに利益面での引き上げ幅が大きい。第2四半期は営業利益が91億円から141億円、経常利益が98億円から155億円、当期純利益が70億円と従来予想より、55%から64%と大幅な引き上げだ。通期でも営業利益が183億円から235億円、経常利益が189億円から250億円、当期純利益が135億円から180億円に引き上げられる。いずれも過去最高水準を大きく上回る。

 好調の大きな理由は第2四半期に相次いで全国公開された『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(2022年6月11日公開)と『ONE PIECE FILM RED』(2022年8月6日公開)が大ヒットになったためだ。『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は国内興行収入25億円、さらに海外公開でも北米週末興行収入ランキング1位になるなど人気を呼んでいる。『ONE PIECE FILM RED』は国内週末興行収入ランキング11週間連続1位、10月16日までに171億円突破、現在も勢いが衰えない。
 さらに映画と合わせて展開した国内外の商品化権、ゲーム化権、配信権販売が当初の見込みを上回った。第2四半期以降も、国内外の版権事業、映像製作販売事業の好調は維持するとして、業績予想を上方修正した。

 東映アニメーションは今期、ワンピース、ドラゴンボールのほか、スラムダンクを四半世紀ぶりにアニメ化した『THE FIRST SLAM DUNK』と3本の大作アニメを投入する。
 業績予想の連結売上高は当初から、過去最高であった2022年3月期の570億円を22%上回る700億円と強気の数字だった。実際はその数字をも上回る結果になりそうだ。

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