アニメーション制作大手のIGポートの23年5月期の第1四半期決算の売上げと利益が、2022年10月14日に発表されている。増収増益となっていると順調なスタートを切っている。
6月1日から8月31日までの3ヵ月間の連結売上は、26億4900万円と15.5%増。また営業利益は2億7800万円と95.2%増、経常利益は3億100万円(118.8%増)、当期純利益は2億5100万円(90.7%増)となっている。
アニメーション制作事業の業績が好転しているのに加えて、版権事業の利益が大きく伸びた。しかしマンガなどの出版事業が伸び悩んだ。
映像制作事業はプロダクション I.G、WIT STUDIOなどから構成されている。期間中はこの春から大きなヒットになっている『SPY × FAMILY』が代表作、このほか『アオアシ』、『おにぱん!』」、劇場アニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』などがある。
期間中の売上高は15億4400万円(32.3%増)、営業利益は8800万円(786.8%増)となった。依然、一部の作品は赤字としつつも、近年の制作費のコントロールが成果を発揮しつつあるようだ。
また映像制作の売上高のうちテレビ・配信アニメが11億5100万円、劇場アニメが1億8300万円、その他のアニメ映像が2億600万円になっている。前年同期に比べてシリーズ作品が大きく伸びている。
版権事業は売上高が4億4200万円(2.9%減)とほぼ前年同期並みであったが、営業利益は1億1000万円と大きかった。こちらは前年まで大きかった減価償却費が減ったためだ、製作への大型投資が一段落したためと見られる。
主要作品はこちらも『SPY × FAMILY』、それに『王様ランキング』、『銀河英雄伝説 Die Neue These』、『アオアシ』、『進撃の巨人』、『攻殻機動隊』など、ロングランの大型タイトルの貢献も無視できない。また今期から重要性が乏しくなったとして、「Great Pretenders」製作委員会を連結子会社から、「Vivy: Fluorite Eye’s Song」製作委員会を持分法適用から外している。
出版事業は売上高5億7700万円(8.2%減)、営業利益は1億200万円(40.4%減)だった。コミックス刊行点数が前年同期より少なくなったことが影響した。『リィンカーネーションの花弁』、『魔道具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~』がヒット作。
通期連結売上高は、前年に続き100億円超えの116億1300万円を予想する。まずは好調なスタートで、引き続き安定した業績を目指す。