集英社ゲームズ、NetEase Gamesとゲーム共同開発

集英社ゲームズ

 2022年6月に設立されたばかりの株式会社集英社ゲームズが、今後の取り組みや主要タイトルをまとめて明らかにした。9月15日から千葉・幕張メッセで4日間開催される大型ゲームイベント「東京ゲームショウ2022」に出展、大型ブースを使って作品ラインナップ、そして集英社ゲームズの方針などを紹介している。
 なかでも目玉となったのが、15日に初めてビジュアルや概要が発表された『unVEIL the world (アンベイル ザ ワールド)』である。もともと2020年に集英社が「新ゲームプロジェクト」と発表していた企画を引き継ぐものだ。
 iOS, Androidをプラットフォームにした冒険活劇RPGで、マンガ原作のないゲームオリジネルの作品になる見込みだ。キャラクターデザインは『約束のネバーランド』の作画で活躍する出水ぽすかが担当する。発売時期や価格などは未定だが、かなりに期待作と言っていいだろう。

 しかしプロジェクトの大きさを感じさせるのは、NetEase Gamesの参加だろう。ゲーム開発を集英社ゲームズとNetEase Games、販売もNetEase Gamesがする。
 NetEaseは1997年に設立された中国のIT企業で特にゲーム分野に強みを発揮する。近年は日本緒のゲームビジネスにも積極的に進出する。世界有数のゲーム会社だけに、日中の有力企業が手を結ぶ強者連合にもなる。
 集英社の人気マンガ作品のゲームはこれまでバンダイナムコグループなど日本の大手企業で展開するのが中心であったが、今回、集英社は自社ゲーム事業進出で中国企業を選んだ。ゲームのグローバル展開も視野に入れている可能性がある。集英社ゲームズの今後の行方に対する関心をますます大きくすることになるだろう。

 このほか集英社ゲームズが今回大きく披露した作品は、『ハテナの塔』、『SOULVARS』、『ONI – 空と風の哀歌』、『浮世/Ukiyo』、『キャプテン・ベルベット・メテオ ジャンプ+異世界の”小”冒険』ほか、全部で7作品。これらに特徴は、限られた予算内で少ない人数で開発するインディゲームとなっている。大きな予算が投入されそうな『unVEIL the world』と対照的だ。
 これまでマンガ分野で集英社が培ってきた個人クリエイターと共に作品を作り上げるノウハウが活かされそうだ。大型企画とインディのふたつの方向からゲーム事業進出を目指すことになる。

集英社ゲームズ
https://shueisha-games.com/

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 太素(TAISU)
     『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督、『九十九』で米国アカデミー賞短編アニメーションにもノミネー…
  2. かがみの弧城
     本屋大賞に輝く辻村深月の『かがみの孤城』は、ベストセラーとして世代を超えて支持を集めてきた。学校で…
  3. クランチロール
    末平アサ氏(チーフコンテンツオフィサー)インタビュー  2021年8月にソニーグループが、米国に拠…
ページ上部へ戻る