NPO「アニメ特撮アーカイブ機構」 カラーがリーダーとなり設立を目指す

アニメ特撮アーカイブ機構

アニメや特撮の映像制作の際に生まれた原画やセル画、ミニチュア模型などの中間制作物の保管を目指して、映像の作り手が動き出す。アニメ製作会社のカラーが、非営利活動団体(NPO)として「アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)」の設立を目指していることを明らかにした。
2016年11月23日から東京渋谷区のラフォーレミュージアムで開催されている「株式会社カラー10周年記念展」のなかで、「アニメ特撮アーカイブ機構」について初めて言及した。株式会社カラーと同社の代表取締役社長である庵野秀明氏がリーダー的立場になって、このNPOの立ち上げを進めているという。

「株式会社カラー10周年記念展」は、2006年に設立されたカラーの節目の年にこれまでの仕事を振り返り、さらに未来を見据えた企画展である。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズや「日本アニメ(ーター)見本市」といったカラーのこれまで手掛けてきたアニメ作品の資料展示をしている。
これに併せて会場には「特撮アーカイブ」「アニメアーカイブ」といったコーナーが設けられた。ここで『機動戦士ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』『ウルトラマン』といった作品の資料を展示している。解説によれば、カラーは現在、文化事業の一環として過去のアニメや特撮の資料のアーカイブ事業を進めており、その一環としてNPO設立を視野に入れている。今回、会場で展示された資料は、すでにカラーが保存しているものだ。10周年から先に向けて、重要事業のひとつとしてアーカイブを位置づけていることが分かる。

来場者に配布された「株式会社カラー10周年記念冊子」には、庵野秀明氏と株式会社カラー 文化事業担当学芸員である三好寛氏のインタビューで、アーカイブプロジェクトの経緯についてより詳しく触れている。
庵野氏はプロジェクトのきっかけとして、特撮関連の資料が散逸しているのを知ったことを挙げている。これが2012年に東京都現代美術館で開催された企画展「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」につながった。しかし、特撮だけでなく、アニメでも資料の散逸が進んでおり、併せて収集と保管を目指すことにしたという。
三好寛氏はスタジオジブリで企画展を担当し、「特撮博物館」もプロデュースした経験を持つ。三好氏は現時点では名称しか発表できないが、アニメ・特撮文化の次世代への継承の役割と、非営利団体にすることで広く協力を仰ぐとしている。具体的な活動の内容は今後の発表を待つことになるが、アニメや特撮文化にとっては大きな一歩となるに違いない。

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